ゴルフ会員権を相続するとどうなるのか 親の会員権をそのまま子が使えるとは限らない理由編

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親がゴルフ会員権を持ったまま亡くなった場合、その会員権はどうなるのでしょうか。

土地や預金、株式などと同じように、財産的な価値を持つゴルフ会員権は原則として相続財産になります。

そのため相続人が会員権を引き継ぐことになります。

ただし、ここで注意したいのが、会員権を相続したことと、相続人がそのゴルフクラブの正式なメンバーになれることは同じではないという点です。

例えば父親が名門ゴルフクラブの会員だったとしても、父親が亡くなった瞬間に、その子どもが自動的に同じクラブのメンバーになるとは限りません。

クラブ側で相続に伴う名義変更などの手続きが必要になり、クラブによっては入会資格や審査が問題になることもあります。

さらに市場価格のあるゴルフ会員権は、相続税を計算するうえでも評価が必要になります。

今回は、ゴルフ会員権を相続した場合に何が起きるのかを見ていきます。

ゴルフ会員権も相続財産になるのか

ゴルフ会員権にはさまざまな形がありますが、財産的価値を持つものは相続財産になります。

例えば市場で300万円程度で売買されている会員権を父親が保有していたとします。

父親が亡くなったからといって、その経済的価値が消えてしまうわけではありません。

相続人がその権利を承継することになります。

これは株式を相続する場合と似ています。

ただしゴルフ会員権には、単純な金融資産とは違う特徴があります。

ゴルフ場を利用する権利や預託金返還請求権など、会員権の種類によって権利の内容が異なるからです。

したがって相続が発生した場合には、まず亡くなった人がどのような種類の会員権を持っていたのかを確認する必要があります。

相続したことと会員になることは違う

ゴルフ会員権の相続で特に重要なのがこの点です。

相続人が会員権という財産を取得したとしても、それだけでゴルフクラブの会員資格まで自動的に引き継げるとは限りません。

例えば父親がAゴルフクラブの会員だったとします。

父親が亡くなり、長男がその会員権を相続しました。

長男は会員権という財産を取得します。

しかし、長男が父親の会員番号をそのまま使って翌日からメンバーとしてプレーできるとは限りません。

クラブの規約に従って相続による名義変更などを行う必要があります。

ここが預金や一般的な上場株式とは大きく違うところです。

なぜ名義変更が必要なのか

ゴルフクラブには会員名簿があります。

そこには誰が正式な会員なのかが登録されています。

父親が亡くなって子どもが会員権を相続しても、会員名簿には父親の名前が登録されたままです。

そこで相続人が会員として利用したい場合には、名義を変更する必要があります。

一般的には、

会員が死亡したことを確認する書類

相続関係を確認する書類

誰が会員権を取得したのかを確認する書類

などを求められる可能性があります。

具体的な必要書類や手続きはクラブによって異なります。

そのため相続が発生した場合には、クラブや会員権取引業者などへ確認することが重要になります。

相続人が複数いる場合はどうなるのか

例えば父親が亡くなり、相続人が母親と長男、長女の3人だったとします。

ゴルフ会員権も相続財産ですから、誰が取得するのかを決める必要があります。

会員権を実際に利用したい長男が取得する方法もあります。

一方、家族の誰もゴルフをしないのであれば、会員権を売却し、その代金を相続財産として分ける方法も考えられます。

ゴルフ会員権は一つの会員資格として利用されるため、相続人全員がそれぞれ自由にメンバーとして利用できるというものではありません。

誰が承継するのかを整理する必要があります。

親の会員権をそのまま子が使えるとは限らない

相続人がゴルフ好きなら、親が持っていた会員権を自分で使いたいと考えるでしょう。

しかし、クラブによっては相続人についても一定の手続きを求めます。

なぜならゴルフクラブの会員資格には、単なる財産権とは違う側面があるからです。

特に伝統のあるクラブでは、会員になる人について独自の資格要件を設けている場合があります。

例えば一般の名義書換では、既存会員からの推薦や面接などを求めるクラブがあります。

相続の場合にどのような取り扱いになるかはクラブごとの規約によって異なります。

したがって、

親が会員だったから子も当然に会員になれる

とは考えない方がよいでしょう。

相続時には通常の売買と手続きが違う場合がある

通常のゴルフ会員権売買では、既存会員から第三者へ会員権が移ります。

一方、相続では会員本人が死亡したことによって権利が相続人へ移ります。

そのためクラブによっては通常の名義書換とは別に、相続専用の手続きや取り扱いを設けている場合があります。

名義変更に必要な費用についても、通常の第三者への名義書換とは異なる取り扱いになっていることがあります。

ここはゴルフ場ごとの差が大きい部分です。

相続した会員権について、

自分が会員になる

第三者へ売却する

退会する

という選択肢によっても必要な手続きが変わる可能性があります。

相続人がゴルフをしない場合はどうするのか

親がゴルフ好きでも、子どもがゴルフをするとは限りません。

その場合、相続した会員権を保有し続ける必要があるとは限りません。

市場で売却できる会員権であれば、第三者へ売却する方法があります。

例えば相続した時点で市場価格が300万円だったとします。

相続人がゴルフをしないのであれば、会員権取引業者などを通じて売却し、現金化することが考えられます。

ただし、すぐ300万円で売れるとは限りません。

ゴルフ会員権には売り気配と買い気配の差があります。

市場価格が300万円とされていても、実際の買い希望価格が270万円という場合もあります。

相続財産としての評価額と、実際に現金化できる金額が一致するとは限らない点には注意が必要です。

売却するまで年会費の問題もある

相続した会員権を利用しないからといって、そのまま何年間も放置するのは注意が必要です。

ゴルフ会員権には年会費があります。

会員が死亡した後の年会費や名義変更までの扱いについてはクラブごとに確認する必要がありますが、相続後に会員権を保有し続けるのであれば、費用負担が問題になる可能性があります。

例えば年間6万円の負担がある会員権を5年間そのままにしていれば、単純計算で30万円です。

利用しない会員権なら、

承継して自分で使うのか

売却するのか

その他の手続きを取るのか

を早めに検討する意味があります。

ゴルフ会員権は相続税の対象になる

ゴルフ会員権が財産である以上、相続税を計算するときにも問題になります。

例えば亡くなった人が、

預金

株式

不動産

ゴルフ会員権

などを保有していれば、それぞれの財産を相続税上のルールに従って評価します。

そして債務などを考慮した課税価格をもとに、基礎控除を超える場合には相続税が問題になります。

ゴルフ会員権だけに特別な相続税がかかるわけではありません。

他の相続財産と合わせて相続税を計算することになります。

相続税評価は購入価格では決まらない

例えば父親がバブル期に3000万円で購入したゴルフ会員権が、相続時には300万円まで下落していたとします。

この場合、

父親が3000万円で買ったのだから3000万円の相続財産

と単純に考えるわけではありません。

相続税では、原則として相続開始時点の財産価値を基礎に評価します。

逆に父親が100万円で取得した会員権が、相続時に1000万円まで値上がりしていることも考えられます。

この場合も、昔いくらで購入したかではなく、相続時の価値が重要になります。

ゴルフ会員権価格が大きく変動するからこそ、取得時の価格と相続税評価を混同しないことが大切です。

取引相場のある会員権は市場価格が重要になる

市場で売買されているゴルフ会員権では、相続時点の取引価格が評価を考えるうえで重要になります。

ただし、相場表に表示された価格をそのまま相続税申告書に記載すればよいとは限りません。

ゴルフ会員権の種類や取引状況などによって、相続税上の具体的な評価方法があります。

特に預託金制の会員権では、預託金返還請求権の内容や返還時期などが評価に関係する場合があります。

また、市場でほとんど取引されていない会員権では、一般的な相場のある会員権と同じように考えられないこともあります。

ゴルフ会員権といってもすべて同じ評価方法になるわけではありません。

会員権の種類を確認することが重要

相続が発生したときには、まず会員権の種類を確認することが重要です。

例えば預託金制なら、施設利用権だけでなく預託金返還請求権が問題になります。

株主会員制なら、ゴルフ場運営会社などの株式と会員資格との関係を確認する必要があります。

さらに市場で売買できるのか、名義書換が停止されていないかといった点も重要です。

親から、

ゴルフ会員権を持っている

とだけ聞いていても、その中身はさまざまです。

証券や契約書、クラブの規約などを確認し、どのような権利を相続したのかを把握する必要があります。

高額会員権ほど相続時の確認が重要になる

数十万円の会員権なら相続財産全体への影響は小さいかもしれません。

しかし名門ゴルフ場では、1000万円を超える会員権があります。

例えば2000万円の市場価値がある会員権を相続した場合、相続財産全体に与える影響は無視できません。

しかも会員権は預金のようにその金額の現金があるわけではありません。

相続税を納めるために現金が必要でも、会員権を売却するには時間がかかる可能性があります。

売却を急げば買い希望価格に合わせて価格を下げなければならない場合もあります。

高額な会員権ほど、資産価値だけでなく流動性まで考えておく必要があります。

生前に家族へ伝えておく意味

ゴルフ会員権は、家族がその存在を十分に把握していないことがあります。

本人だけがゴルフをしていて、

どのゴルフ場の会員なのか

会員権証書などはどこにあるのか

預託金はいくらなのか

年会費はいくらなのか

市場価格はどの程度なのか

といった情報を家族が知らない場合があります。

相続が発生して初めて会員権の存在が分かれば、手続きに時間がかかります。

特に高額な会員権を保有している場合には、財産の一つとして家族が存在を確認できるようにしておくことが重要です。

結論

ゴルフ会員権は財産的な価値を持つため、原則として相続財産になります。

しかし、親の会員権を相続したからといって、子どもが自動的に同じゴルフクラブのメンバーになれるとは限りません。

会員権という財産を相続することと、クラブの会員資格を引き継ぐことは分けて考える必要があります。

相続人が自分で利用したい場合には、クラブの規約に従って名義変更などの手続きが必要になります。

クラブによっては入会資格や審査などの確認も必要です。

一方、相続人がゴルフをしないのであれば、市場で売却して現金化する方法もあります。

さらにゴルフ会員権は相続税の対象となる財産です。

相続税評価では、親が昔いくらで購入したのかではなく、原則として相続開始時点の価値が重要になります。

特に1000万円を超えるような高額会員権では、相続財産全体への影響も大きくなります。

ゴルフ会員権の相続では、誰が相続するのかだけでは十分ではありません。

その人が会員になれるのか、どのような名義変更が必要なのか、売却できるのか、相続税上いくらの財産になるのかまで確認することが重要なのです。

参考

日本経済新聞 2026年8月27日 朝刊 ゴルフ会員権値上がり 5カ月連続 低価格帯も人気

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