税理士に課される7年間保存義務とは何か 記録管理編

税理士
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税理士業務では様々な書類を扱います。

申告書。

決算書。

契約書。

本人確認書類。

顧客とのやり取り。

こうした資料は日々増え続けます。

しかし、犯罪収益移転防止法では単に本人確認を行うだけでは不十分です。

確認した内容や取引に関する記録を一定期間保存することが義務付けられています。

その保存期間は7年間です。

なぜ7年間もの保存が必要なのでしょうか。

今回は税理士に課される記録保存義務について考えてみます。

本人確認だけでは意味がない

本人確認を行ったとしても、その記録が残っていなければ後から確認することができません。

例えば、

いつ確認したのか

誰を確認したのか

どの書類で確認したのか

何を確認したのか

これらが不明であれば、適切な確認を行ったことを証明できません。

そのため犯罪収益移転防止法では、確認記録の作成と保存が義務付けられています。

確認して終わりではなく、記録して残すことが重要なのです。

何を保存するのか

保存が求められるものは大きく二つあります。

一つ目は確認記録です。

顧客の氏名や名称。

住所や所在地。

確認方法。

確認年月日。

実質的支配者に関する情報。

こうした本人確認に関する情報です。

二つ目は取引記録です。

契約内容。

取引年月日。

取引金額。

取引の概要。

これらを記録し保存する必要があります。

なぜ7年間なのか

7年間という期間は短くありません。

税務関係でも帳簿保存期間は7年が基本となっています。

犯罪収益移転防止法でも、資金の流れを後から追跡できるよう一定期間の保存が求められています。

マネー・ローンダリングは数年後に発覚することもあります。

その際に過去の取引を検証できるようにするため、長期間の保存が必要になるのです。

電子保存の時代へ

かつては紙の保存が中心でした。

しかし現在では電子帳簿保存法の普及もあり、電子保存が一般的になっています。

本人確認書類をPDFで保存する。

面談記録をデータ化する。

メールを保管する。

クラウドで管理する。

こうした方法を活用する事務所が増えています。

重要なのは紙か電子かではなく、必要な時に確実に取り出せる状態にしておくことです。

記録保存は税理士自身を守る

記録保存義務は面倒な作業に感じるかもしれません。

しかし実は税理士自身を守るための制度でもあります。

後日、

本人確認をしたのか

説明を受けたのか

どのような資料を確認したのか

という問題が生じることがあります。

その時に記録が残っていれば、自らの対応を説明できます。

逆に記録がなければ適切な業務を行ったことを証明できません。

顧客とのトラブル防止にも役立つ

保存された記録は顧客とのトラブル防止にも役立ちます。

人の記憶は時間とともに曖昧になります。

数年後になって、

そんな説明は受けていない

そんな依頼はしていない

という話になることもあります。

その際に面談記録や確認資料が残っていれば事実関係を確認できます。

記録保存はコンプライアンスだけでなく、顧客との信頼関係を守る仕組みでもあるのです。

記録管理は事務所経営の品質を示す

優れた税理士事務所ほど記録管理を重視しています。

誰が担当しても状況が分かる。

担当者が退職しても引き継げる。

問い合わせにすぐ対応できる。

これらは全て記録管理が土台になります。

マネロン対策として始めた保存体制が、結果として事務所全体の品質向上につながることも少なくありません。

デジタル時代の新たな課題

一方で電子保存には新たな課題もあります。

データ消失。

サイバー攻撃。

アクセス権限管理。

個人情報保護。

紙の時代にはなかったリスクです。

そのため保存するだけでなく、安全に管理する仕組みも必要になります。

これからの税理士には記録管理と情報管理の両方の知識が求められるでしょう。

結論

犯罪収益移転防止法では、本人確認記録や取引記録を7年間保存することが義務付けられています。これはマネロン対策のためだけでなく、後日の検証や資金追跡を可能にするための重要な制度です。

記録保存は税理士にとって負担ではなく、自らを守るためのリスク管理でもあります。適切な記録管理体制を整えることは、事務所の信頼性と業務品質を高めることにもつながるのです。

参考

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課犯罪収益対策室(JAFIC)
「マネー・ローンダリング対策について」講義資料

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課犯罪収益対策室(JAFIC)
「疑わしい取引の届出方法について」補助資料

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