株価が過去最高値を更新すると、「今は高すぎるから投資を待ったほうがいいのではないか」と考える人が増えます。
新NISAで積立投資を始めたばかりの人ほど、「最高値で買ってしまったら損をするのではないか」という不安を感じるかもしれません。
しかし、人生100年時代の長期投資という視点で見ると、相場が最高値だから積立を止めることが必ずしも良い選択とは言えません。
今回は、相場が最高値でも積立投資を続けるべき理由について考えてみます。
最高値は成長市場では珍しくない
株式市場は長い目で見ると、企業の利益成長とともに上昇してきました。
そのため、市場が成長している限り、最高値は何度も更新されます。
例えば米国株式市場では、これまで何百回も史上最高値を更新してきました。
そのたびに「今は高すぎる」と考えて投資を見送っていたら、多くの上昇局面を逃していたことになります。
最高値は市場の終わりではなく、成長の途中に過ぎない場合も少なくありません。
高値かどうかは誰にも分からない
「今は高すぎる」と思っても、それが本当に天井なのかは誰にも分かりません。
翌月にはさらに上昇していることもあれば、大きく下落することもあります。
市場の短期的な動きを正確に予測することは、専門家でも極めて困難です。
将来を予測することに時間を使うよりも、決めたルールを守って投資を続けるほうが、長期的には合理的な選択になります。
積立投資は価格変動を受け入れる仕組み
積立投資は、価格の上下を前提とした投資方法です。
相場が高い時には少なく買い、相場が下がれば多く買います。
一時的に高値で買う月があっても、その後に価格が下がれば多くの口数を購入できます。
この積み重ねによって、購入価格は徐々に平均化されていきます。
だからこそ、毎月の株価に一喜一憂する必要がありません。
待つことにもリスクがある
「相場が下がるまで待とう」という考え方は、一見すると慎重に思えます。
しかし、待っている間に相場がさらに上昇すれば、その利益を得る機会を失ってしまいます。
また、「もう少し下がったら買おう」と考えているうちに、結局買えずに終わってしまう人も少なくありません。
投資で最も大きな損失は、暴落ではなく、市場に参加しない期間が長くなることだという考え方もあります。
長期投資では時間が最大の味方になる
複利の効果は、時間が長いほど大きくなります。
同じ金額を投資しても、30年間運用する人と20年間運用する人では、最終的な資産額に大きな差が生まれる可能性があります。
だからこそ、「いつ始めるか」よりも「どれだけ長く続けるか」が重要なのです。
最高値を気にして投資を先送りすることは、自ら運用期間を短くしてしまうことにもつながります。
新NISAは長期で活用してこそ価値がある
新NISAは、非課税という大きなメリットを長期間生かすための制度です。
毎日の値動きを見て売買を繰り返す制度ではありません。
市場が最高値の日もあれば、大きく下落する日もあります。
そのどちらも受け入れながら積立を続けることで、時間と複利の力を最大限に活用できます。
制度の特徴を生かすためにも、短期的な相場観より長期的な資産形成を重視したいものです。
結論
相場が最高値だからといって、積立投資を止める必要はありません。
成長を続ける市場では、最高値は何度も更新されます。
未来の株価を正確に予測することは難しいからこそ、決めたルールに従って積立を続けることが、長期投資では最も合理的な方法と言えるでしょう。
人生100年時代の資産形成では、「今が高いか安いか」を考え続けることよりも、「どんな相場でも投資を続けられる仕組み」を持つことが、将来の豊かな資産につながるのではないでしょうか。
参考
日本経済新聞 2026年6月26日 朝刊
ポジション〉超円安からの脱却遠く 再介入警戒も夜に円売り FX個人に「損切り」迫る