確定申告はスマホで行う時代へ e-Tax利用率77%が示す税務DXの現在地

効率化
水色 シンプル イラスト ビジネス 解説 はてなブログアイキャッチのコピー - 1

令和7年分の所得税確定申告において、e-Taxによる申告者数が過去最高を更新しました。国税庁によれば、e-Taxを利用した人は1,814万人に達し、申告者全体の77.1%を占めています。

かつては税務署や申告会場に出向いて手続きを行うことが一般的でしたが、現在では自宅からパソコンやスマートフォンを利用して申告することが当たり前になりつつあります。

今回の利用状況からは、単なる電子化を超えた税務手続の大きな転換点が見えてきます。

e-Tax利用率77%の意味

令和7年分の所得税等確定申告書をe-Taxで提出した人は1,814万人でした。

前年より83万人増加し、全申告者の77.1%に達しています。これは申告者のおよそ4人に3人が電子申告を利用していることを意味します。

e-Tax制度が始まった当初は利用率が低く、電子証明書やICカードリーダーなどの準備も必要でした。しかし現在はマイナンバーカードの普及やスマートフォン対応の拡大により、利用環境は大きく改善されています。

もはやe-Taxは一部のIT利用者だけの制度ではなく、確定申告の標準的な手段になったといえるでしょう。

自宅申告が新しい常識になる

注目すべきは、自宅から申告を行う人の増加です。

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを利用して、自宅からe-Tax申告を行った人は949万人に達しました。

前年から125万人増加し、申告者全体の40.3%を占めています。

これは確定申告を行う人の約2人に1人が、税務署へ行かずに手続きを完了している計算になります。

時間や交通費をかける必要がなく、24時間いつでも手続ができることから、自宅申告は今後さらに増加する可能性があります。

スマホ申告が急速に拡大

さらに大きな変化がスマートフォンによる申告です。

自宅からスマホを利用してe-Tax申告を行った人は497万人となり、前年から89万人増加しました。

自宅から電子申告した人の約半数がスマートフォンを利用していることになります。

特にマイナンバーカードを活用したスマホ申告は455万人となり、前年比29.2%増と大幅に伸びています。

若い世代だけではありません。近年は年金受給者の申告手続でもスマホ利用が進んでいます。

金融機関や行政手続がスマートフォン中心へ移行する中で、税務手続も同じ流れに乗っているといえるでしょう。

確定申告会場の役割は変わるのか

一方で、確定申告会場へ来場して申告した人は218万人でした。

前年より約13%減少し、申告者全体の1割を下回っています。

もちろん、高齢者やデジタル機器に不慣れな人にとって申告会場は重要な役割を担っています。しかし今後は「申告書を作成する場所」から「電子申告を支援する場所」へと役割が変化していく可能性があります。

実際に税務署では、会場であっても最終的にはe-Taxで送信する方式が主流となっています。

税務行政そのものが紙からデジタルへ移行していることがうかがえます。

マイナポータル連携が申告を変える

税務DXを語るうえで欠かせないのがマイナポータル連携です。

令和7年分の申告では、マイナポータル連携を利用した人が408万人となり、前年比31.7%増加しました。

医療費、ふるさと納税、生命保険料控除、年金情報などを自動取得できるため、入力作業や転記ミスを大幅に削減できます。

従来は紙の証明書を見ながら手入力していた情報が、ワンクリックで取り込めるようになっています。

将来的には、確定申告そのものを行わなくてもよい「申告レス」に近い環境が実現する可能性もあります。

税理士と納税者の関係も変わる

電子申告の普及は税理士業務にも大きな影響を与えています。

従来は申告書を作成し提出すること自体に価値がありました。しかし電子化が進むことで、単純な入力や提出作業の価値は徐々に低下していきます。

その代わりに、

・節税提案
・相続対策
・資産形成支援
・事業承継支援
・税務リスクの助言

といった専門的な判断や相談業務の重要性が高まっています。

税務DXは税理士を不要にするのではなく、より高度な専門家へ進化することを求めているともいえるでしょう。

結論

令和7年分の確定申告では、e-Tax利用率が77.1%に達し、自宅申告やスマホ申告、マイナポータル連携の利用が大きく拡大しました。

この結果は、日本の税務手続が本格的なデジタル時代へ移行したことを示しています。

今後は電子申告が当たり前となり、紙の申告書や申告会場中心の手続は徐々に減少していくでしょう。

そして税務DXの進展は、納税者の利便性向上だけでなく、税理士や行政の役割そのものを変えていく可能性があります。

確定申告の電子化は単なる手続の変化ではなく、日本の税務行政の未来を映す大きな転換点といえるのではないでしょうか。

参考

税のしるべ 2026年6月1日
「7年分所得税申告でe-Taxの利用は1814万人、申告者全体の77.1%がe-Tax」

タイトルとURLをコピーしました