人生100年時代にリゾート会員権は資産になるのか 新しい余暇消費編

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人生100年時代といわれる現在、資産形成の対象は株式や不動産だけではなくなっています。近年は旅行や体験に価値を見出す人が増え、従来は一部の富裕層の世界と考えられていたリゾート会員権やシェア別荘への関心が高まっています。

2026年にはリゾートクラブ会員権の価格が約3年半ぶりの高値となり、購入者層も50〜60代中心から30〜40代へ広がっています。背景には株高による資産効果だけでなく、「モノより体験」を重視する価値観の変化があります。

今回は、人生100年時代においてリゾート会員権がどのような意味を持つのかを考えてみます。

リゾート会員権市場の復活

リゾート会員権とは、会員制ホテルやコンドミニアムを優先的かつ割安に利用できる権利です。

かつては企業の福利厚生や富裕層の余暇利用として普及しましたが、バブル崩壊後は市場全体が長く低迷しました。

しかし近年は状況が変わりつつあります。

コロナ禍が終息し、人々の移動が再び活発になりました。さらにホテル料金の上昇が続くなかで、一定の宿泊権を確保できる会員権の魅力が見直されています。

特に人気を集めているのが、軽井沢や蓼科など全国の高級リゾート施設を利用できる会員権です。

単なるぜいたく品ではなく、「将来の旅行費用を固定化する仕組み」として評価する人も増えています。

若い富裕層が動き始めた理由

興味深いのは購入者層の変化です。

従来の主役は退職後の時間的余裕を持つ50〜60代でした。しかし最近では30〜40代の経営者や投資家、共働き高所得世帯の購入が目立っています。

背景には三つの変化があります。

第一に株高です。

株式や投資信託で資産を増やした人たちが、金融資産だけではなく生活の質を高める支出に目を向けています。

第二に働き方の変化です。

テレワークやオンライン会議の普及により、都市部に常駐する必要性が低下しました。リゾート地に滞在しながら仕事を行う「ワーケーション」も一般化しています。

第三に価値観の変化です。

高級車やブランド品を所有するよりも、家族との時間や特別な体験を重視する傾向が強まっています。

リゾート会員権は、そのような新しい消費行動と相性が良い商品なのです。

シェア別荘という新しい選択肢

近年注目されているのがシェア別荘です。

これは一棟の別荘を複数の利用者が共同所有または利用権を持つ仕組みです。

従来の別荘所有には多くの課題がありました。

購入費用だけでなく固定資産税や修繕費、管理費などが発生します。また年間の利用日数は限られるため、費用対効果が低いという問題もありました。

シェア別荘はこうした課題を解決します。

利用者は費用を分担しながら全国の施設を利用できるため、別荘を所有する満足感と経済合理性を両立できます。

人生100年時代では資産を長期間維持する必要があります。

その意味で「所有から利用へ」という流れは今後さらに強まる可能性があります。

リゾート会員権は投資なのか

価格上昇のニュースを見ると、投資対象として考える人もいるかもしれません。

しかし注意が必要です。

リゾート会員権は本質的には利用権であり、金融商品ではありません。

確かに人気施設の会員権は値上がりすることがあります。しかし株式のような配当はなく、不動産のような賃料収入もありません。

また年会費や管理費も必要です。

価格が上昇する局面では魅力的に見えますが、将来的な値上がりを前提に購入するのは危険です。

1980年代後半のバブル期にはゴルフ会員権が数億円で取引されました。しかしバブル崩壊後、多くの会員権価格は大幅に下落しました。

投資目的だけで購入すると失敗する可能性があります。

利用価値を重視し、その結果として資産価値が維持されれば良いという考え方が適切でしょう。

人生後半の豊かさを支える資産

人生100年時代では、お金だけが資産ではありません。

健康資産、人間関係資産、経験資産なども重要です。

リゾート会員権やシェア別荘は、これらの資産形成に役立つ可能性があります。

家族との思い出を増やす。

友人との交流を深める。

自然の中で心身をリフレッシュする。

こうした体験は、金融資産の残高だけでは得られない価値を生み出します。

高齢期になると「もっと旅行をしておけばよかった」「家族との時間を大切にすればよかった」と感じる人は少なくありません。

リゾート会員権の本当の価値は、宿泊施設そのものではなく、人生の豊かな時間を確保する仕組みにあるのかもしれません。

結論

リゾート会員権市場が活況を呈している背景には、株高による資産効果だけでなく、人々の価値観の変化があります。

人生100年時代では、単にお金を増やすだけでなく、どのような時間を過ごすかが重要になります。

リゾート会員権やシェア別荘は、投資商品として考えるよりも、人生の豊かさを支える体験資産として考える方が本質に近いでしょう。

これからの時代は、「いくら持っているか」だけでなく、「どのような経験を積み重ねているか」が人生の満足度を左右するようになります。

リゾート会員権の人気上昇は、その価値観の変化を象徴する現象なのかもしれません。

参考

・日本経済新聞 2026年6月6日朝刊「リゾート会員権が3年半ぶり高値 株高で若い富裕層購入」

・日本経済新聞 2026年6月6日朝刊「リゾート関連ビジネス拡大 シェア別荘や会員制サービスに追い風」

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