人生後半戦に車は必要なのか 移動手段再設計編

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人生後半戦に入ると、お金の使い方だけでなく、生活そのものの見直しが始まります。その中でも大きなテーマの一つが「車との付き合い方」です。

現役時代は通勤や子育てのために毎日のように車を利用していた人も、退職後は利用頻度が大きく変わることがあります。

一方で、地方では車がなければ生活が成り立たない地域も少なくありません。

人生100年時代において、車は持ち続けるべきなのでしょうか。それとも別の移動手段へ切り替えるべきなのでしょうか。

今回は、人生後半戦における移動手段の再設計について考えてみたいと思います。

車は生活インフラである

地方では車は単なる移動手段ではありません。

買い物、通院、銀行、役所、趣味、友人との交流など、日常生活の多くが車を前提に成り立っています。

特に公共交通機関が少ない地域では、自動車を手放すことが生活範囲の縮小につながる場合があります。

高齢者の運転免許返納が社会問題として取り上げられる背景にも、この現実があります。

車を失うことは、移動の自由を失うことでもあるのです。

退職後は利用頻度が変わる

一方で、現役時代と同じ感覚で車を持ち続ける必要があるとは限りません。

通勤がなくなると年間走行距離は大幅に減少することがあります。

例えば、

・通勤往復30km
・年間240日勤務

であれば、それだけで年間7,000km以上走行しています。

退職後は買い物やレジャーだけになるため、年間走行距離が半分以下になることも珍しくありません。

利用頻度が減れば、維持費とのバランスを見直す必要があります。

車を持つコストを見直す

多くの人は車の購入費用には敏感ですが、保有コストにはあまり注目しません。

車を所有すると、

・自動車税
・重量税
・自賠責保険
・任意保険
・車検費用
・ガソリン代
・駐車場代
・修理費用

などが継続的に発生します。

さらに車は年数とともに価値が下がります。

年間走行距離が少なくなっても、維持費の多くは変わりません。

退職後の家計を考える際には、車の固定費を改めて計算してみることが重要です。

車以外の選択肢

かつては「車を持つか持たないか」の二択でした。

しかし現在は様々な選択肢があります。

例えば、

・カーシェア
・レンタカー
・タクシー
・地域交通サービス
・コミュニティバス
・デマンド交通

などです。

必要な時だけ利用する仕組みが広がりつつあります。

利用頻度が低い人にとっては、車を所有するよりも経済的になる場合があります。

免許返納という現実

人生後半戦では、免許返納も避けて通れないテーマです。

運転技術に問題がなくても、

・視力の低下
・認知機能の変化
・反応速度の低下

などが徐々に進む可能性があります。

多くの人は「まだ大丈夫」と考えます。

しかし、本当に困るのは運転できなくなった後です。

移動手段を失ってから考えるのではなく、元気なうちから代替手段を試しておくことが大切です。

移動手段は人生の選択肢を左右する

移動手段は単なる交通の問題ではありません。

どこへ行けるか。

誰に会えるか。

どんな趣味を続けられるか。

どこに住めるか。

こうした人生の選択肢そのものに関わります。

移動できなくなると、人との交流が減り、社会との接点も失われやすくなります。

人生後半戦では健康、お金、人間関係が重要といわれますが、そのすべてを支えているのが移動能力ともいえるでしょう。

2040年には状況が変わる可能性

今後は自動運転技術の進歩も期待されています。

また、高齢化が進むことで地域交通の整備も進む可能性があります。

ライドシェアやオンデマンド交通など、新しい移動サービスも広がりつつあります。

2040年頃には、「一家に一台」の考え方そのものが変わっているかもしれません。

車を所有する時代から、必要なときに移動サービスを利用する時代へと変化する可能性があります。

車を持つかではなく、どう移動するか

人生後半戦に必要なのは、「車を持つかどうか」という発想ではありません。

本当に考えるべきなのは、

「これからどのように移動するのか」

という視点です。

車を持ち続けることが最適な人もいます。

一方で、カーシェアや公共交通機関を組み合わせたほうが合理的な人もいます。

重要なのは、自分の生活圏や健康状態、家計状況に合わせて選択することです。

結論

人生後半戦において、車が必要かどうかは住む場所や生活スタイルによって大きく異なります。

しかし共通して言えることは、現役時代と同じ感覚で車を保有し続ける必要はないということです。

人生100年時代では、住宅、働き方、お金だけでなく、移動手段も再設計する時代になっています。

車を持つことが目的ではありません。自由に移動し、人とつながり、豊かな人生を続けることが目的です。

そのために最適な移動手段は何か。

人生後半戦は、車の保有を考えるのではなく、自分らしい移動のあり方を考える時代なのかもしれません。

参考

日本経済新聞 2026年6月9日朝刊「車リース、トラブル多発 個人向け、高額解約料の請求例 契約内容の確認徹底を」

国土交通省 高齢者の移動手段確保に関する各種資料

内閣府 高齢社会白書

総務省統計局 高齢者の生活行動に関する統計資料

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