不動産売買の相談で税理士が気を付けるべきこととは何か 不動産取引編

税理士
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税理士のもとには不動産に関する相談が数多く寄せられます。

土地を売却したい。

収益物件を購入したい。

相続した不動産を整理したい。

法人名義で不動産投資を始めたい。

不動産は資産税業務とも密接に関係しているため、多くの税理士が関与する分野です。

しかし不動産取引はマネー・ローンダリング対策の観点からも特に注意が必要な取引とされています。

なぜ不動産が犯罪収益の洗浄に利用されやすいのでしょうか。

今回は不動産取引とマネロンリスクについて考えてみます。

不動産はなぜ利用されるのか

犯罪組織が不動産に注目する理由は単純です。

高額な資産だからです。

例えば数千万円から数億円の資金を一度に移動させることができます。

さらに不動産は購入後も保有でき、将来的には売却によって現金化することも可能です。

犯罪収益で購入した不動産を後日売却すれば、売却代金という一見合法的な資金に見せることができます。

そのため世界各国で不動産取引はマネロン対策の重点分野になっています。

現金取引は特に注意が必要

現在では多くの不動産取引が金融機関を通じて行われます。

しかし一部では高額な現金取引が存在します。

資金の出所が不明確な現金。

短期間で用意された多額の資金。

事業収入との整合性が取れない購入資金。

こうしたケースでは慎重な確認が必要になります。

税理士としても資金源について合理的な説明ができるかどうかを確認する視点が重要です。

売買を繰り返す取引

不動産マネロンでは短期間に売買を繰り返す手法が利用されることがあります。

購入。

売却。

再購入。

関係者間売買。

こうした取引を繰り返すことで資金の流れを複雑化させます。

もちろん不動産投資では売買が行われること自体は珍しくありません。

重要なのは経済合理性です。

利益を生まない取引が不自然に繰り返されている場合には注意が必要です。

親族間取引にも注意

親族間売買や関係会社間売買は相続対策や事業承継でよく利用されます。

しかしマネロン対策の観点では注意が必要な場合があります。

取引価格が著しく不自然である。

売買代金の支払い方法が不明確である。

資金の流れを説明できない。

このような場合には慎重な確認が必要です。

形式だけではなく実質を見ることが税理士に求められています。

海外不動産取引のリスク

近年は海外不動産への投資も増えています。

海外不動産そのものが問題ではありません。

しかし国によっては情報開示制度が十分ではなく、所有者の把握が難しい場合があります。

さらに海外法人を利用した不動産保有も存在します。

その結果、資金の流れや実質的支配者の確認が難しくなることがあります。

国際化が進むほど税理士に求められる確認レベルも高くなるのです。

税理士は何を確認すべきか

税理士が行うべきことは捜査ではありません。

しかし次のような視点は重要です。

購入資金の出所は明確か。

取引目的は合理的か。

売買価格は適正か。

実際の購入者は誰か。

資金の流れに不自然な点はないか。

これらを確認することで、取引に潜むリスクを把握できます。

顧客を守ることにもつながる

マネロン対策というと顧客を監視する制度のように感じるかもしれません。

しかし実際には顧客を守る側面もあります。

もし反社会的勢力や不適切な資金に関与してしまえば、顧客自身も大きな損害を受ける可能性があります。

税理士が事前に違和感に気付き、適切な助言を行うことは顧客保護にもつながるのです。

不動産取引は資産税業務とも直結する

相続税。

贈与税。

譲渡所得税。

法人税。

不動産は多くの税目と関係しています。

そのため税理士が不動産取引に関与する機会は今後も増えるでしょう。

だからこそ税務だけでなく、コンプライアンスやマネロン対策の視点も欠かせません。

不動産取引を見る目が、これからの税理士の重要な能力の一つになるのです。

結論

不動産は高額な資産であり、犯罪収益の洗浄に利用されやすい特徴を持っています。税理士は不動産取引に関与する際、資金の出所や取引目的、実質的な購入者などを適切に確認することが重要です。

税理士の役割は顧客を疑うことではなく、健全な取引を支援することです。不動産取引に潜むリスクを理解することは、顧客を守り、自らの信頼を守ることにもつながるのです。

参考

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課犯罪収益対策室(JAFIC)
「マネー・ローンダリング対策について」講義資料

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課犯罪収益対策室(JAFIC)
「疑わしい取引の届出方法について」補助資料

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