行政DXとマイナポータル ― 戸籍・不動産・税情報はどうつながるのか

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近年、日本では行政手続のデジタル化が大きな政策課題となっています。政府は行政DX(デジタルトランスフォーメーション)を掲げ、紙中心の行政手続を見直し、オンラインで完結できる仕組みの整備を進めています。

その中心となる仕組みがマイナンバー制度とマイナポータルです。これらは行政機関の情報連携を可能にし、国民の手続負担を軽減することを目的としています。

戸籍制度の電子化や不動産情報の整備といった近年の制度改革も、この行政DXの流れの中で進められています。

本稿では、行政DXの基本的な考え方とマイナポータルの役割、そして戸籍・不動産・税情報の連携がどのように進められているのかを整理します。


行政DXの考え方

行政DXとは、デジタル技術を活用して行政サービスを効率化し、国民の利便性を高める取り組みです。

日本では長年、行政手続が紙の書類や窓口手続を前提として運営されてきました。その結果、多くの手続で次のような課題が指摘されてきました。

・役所に出向かなければならない
・証明書の取得に時間がかかる
・同じ情報を何度も提出する必要がある

こうした課題を解決するため、政府は行政情報のデジタル化と行政機関同士の情報連携を進めています。

行政DXの基本的な考え方は、行政機関が保有する情報を電子的に共有することで、国民が証明書を取得して提出する負担を減らすことにあります。


マイナポータルの役割

マイナポータルは、国民が行政サービスをオンラインで利用するためのポータルサイトです。

マイナンバーカードを利用することで、さまざまな行政手続をオンラインで行うことができます。

主な機能としては次のようなものがあります。

・行政手続のオンライン申請
・行政機関からの通知確認
・税や社会保障に関する情報の確認

また、マイナポータルでは行政機関が保有する個人情報の利用状況を確認することもできます。

このように、マイナポータルは行政DXの基盤となるサービスとして位置づけられています。


行政情報の連携

行政DXの重要な要素が情報連携です。

従来の行政手続では、行政機関ごとに個別の情報管理が行われていました。そのため、同じ情報を複数の行政機関へ提出する必要がありました。

情報連携が進むと、行政機関同士が電子的に情報を確認できるようになります。

例えば、次のような情報が行政手続で利用されています。

・戸籍情報
・住民情報
・税情報
・社会保障情報

これらの情報が連携することで、国民が証明書を取得して提出する必要が減る可能性があります。


戸籍制度のデジタル化

戸籍制度のデジタル化も行政DXの重要なテーマです。

従来、戸籍証明書が必要な行政手続では、戸籍謄本などの紙の証明書を提出する必要がありました。

しかし電子戸籍の仕組みが導入されることで、行政機関が電子的に戸籍情報を確認できる可能性が広がっています。

電子戸籍が利用できる行政手続では、紙の戸籍証明書の提出に代えて電子戸籍パスという番号を使用することができます。

このような仕組みにより、戸籍証明書の取得や提出の負担が軽減されることが期待されています。


不動産情報の整備

不動産制度の改革も行政DXと関係しています。

相続登記義務化や所有不動産記録証明制度の導入は、不動産情報を正確に管理することを目的としています。

不動産情報が整備されれば、行政手続の効率化にもつながります。

例えば、相続手続では戸籍情報と不動産情報の確認が必要になります。これらの情報が電子的に連携すれば、手続の負担が軽減される可能性があります。

このように、不動産制度の改革は行政DXの一部として進められているといえます。


結論

行政DXは、日本の行政手続のあり方を大きく変える可能性を持つ取り組みです。マイナポータルや電子戸籍などの制度により、行政情報のデジタル化と情報連携が進められています。

戸籍制度や不動産制度の改革も、この行政DXの流れの中で進められています。行政機関が保有する情報を電子的に連携することで、国民の手続負担を軽減することが期待されています。

もっとも、行政DXの進展には制度整備やシステム整備だけでなく、国民の理解や利用環境の整備も重要になります。

行政DXは、日本の行政制度の将来を左右する重要なテーマであり、今後の動向が注目されます。


参考

税のしるべ
所有不動産記録証明制度は電子戸籍の利用可
2026年3月2日

デジタル庁
マイナポータルに関する資料

法務省
行政手続における電子戸籍の利用に関する資料

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