日本人がホームカントリーバイアスを見直すべき理由 国際分散投資編

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日本人の多くは、自分でも気づかないうちに「日本への投資」に偏っています。

預金は円、給与も円、年金も円、不動産も日本国内、勤務先も日本企業という人は少なくありません。

このように、自国の資産ばかりを保有する傾向は「ホームカントリーバイアス」と呼ばれます。

長年はそれでも大きな問題にはなりませんでした。しかし、人口減少や円安、世界経済の変化を考えると、これからは資産の持ち方を見直す時代が来ています。

ホームカントリーバイアスとは何か

ホームカントリーバイアスとは、自国の資産を必要以上に多く保有してしまう心理的な傾向のことです。

人は身近なものに安心感を抱きます。

よく知っている企業、日本円、日本の銀行、日本国内の不動産などは安心できるため、自然と資産も国内へ集中しやすくなります。

しかし、「安心できること」と「資産が安全であること」は必ずしも同じではありません。

資産運用では、慣れ親しんだものだけを選ぶことが、かえってリスクになることもあります。

日本だけに資産を集中させるリスク

日本経済には多くの強みがあります。

一方で、少子高齢化や人口減少、財政問題など、中長期的な課題も抱えています。

仮に日本経済全体の成長率が低迷すれば、日本企業の利益や株価、日本円の価値にも影響が及ぶ可能性があります。

もし資産のほとんどが日本だけに集中していれば、その影響をすべて受けることになります。

投資の世界では、「一つの国に賭けること」は思っている以上に大きなリスクなのです。

世界経済は日本だけではない

世界には高い成長を続ける地域が数多くあります。

米国ではAIや半導体などの先端産業が経済成長をけん引しています。

インドや東南アジアでは人口増加を背景に市場が拡大しています。

欧州には世界的ブランド企業が数多く存在します。

つまり、世界経済は一つの国だけで動いているわけではありません。

世界全体へ投資することは、世界経済そのものの成長を取り込むことでもあります。

円だけを持つことも一つのリスク

預金がすべて円建てという人も多いでしょう。

もちろん生活費として円は必要です。

しかし、資産全体まで円だけに偏ると、円安が進んだ場合には海外から見た資産価値が低下します。

実際に海外旅行や輸入品の購入では、円安によって以前より多くのお金が必要になることを実感している人も多いでしょう。

通貨も分散投資の対象です。

株式だけではなく、保有する通貨を分散することも資産防衛につながります。

国際分散投資はリスクを減らす考え方

国際分散投資というと、「海外へ積極的に投資すること」と考える人もいます。

しかし、本質はそこではありません。

重要なのは、一つの国だけに依存しないことです。

日本株も持つ。

米国株も持つ。

世界株も持つ。

場合によっては海外債券やREITなども組み合わせる。

こうした分散によって、一つの国の景気悪化が資産全体へ与える影響を小さくできます。

分散投資は利益を最大化するためではなく、長く資産を守るための仕組みなのです。

新NISAはホームカントリーバイアスを見直すきっかけ

新NISAの普及によって、世界株式インデックスファンドへ投資する人が増えています。

これはホームカントリーバイアスを改善する良いきっかけになっています。

毎月一定額を積み立てることで、日本だけでなく世界中の企業へ少しずつ投資できます。

どの国が勝つのかを予想する必要もありません。

世界経済全体の成長を信じて長期投資を続けることが、資産形成の王道といえるでしょう。

大切なのは日本を否定することではない

ホームカントリーバイアスを見直すというと、「日本へ投資してはいけない」という意味ではありません。

日本企業の中にも世界で競争力を持つ企業は数多くあります。

大切なのは、日本だけに集中しないことです。

日本経済を信頼しながらも、世界にも目を向ける。

そのバランス感覚こそが、これからの資産形成には欠かせません。

結論

ホームカントリーバイアスは、多くの人が無意識のうちに持っている投資の偏りです。

給与も預金も不動産も日本に集中している人ほど、投資では意識的に世界へ分散する価値があります。

未来の経済がどの国で最も成長するかを正確に予測することは誰にもできません。

だからこそ、一つの国だけに賭けるのではなく、世界全体へ分散するという考え方が重要になります。

資産形成で大切なのは、「日本か世界か」を選ぶことではありません。

「日本も世界も持つ」という発想こそが、人生100年時代の安定した資産づくりにつながるのではないでしょうか。

参考

日本経済新聞(2026年7月7日 朝刊)

「『1ドル170円台』に現実味 『骨太』に財政懸念、売り圧力 米利上げ観測追い打ち」

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