ガソリン税の暫定税率廃止で本当に安くなるのか 家計防衛編

税理士
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ガソリン価格が上がるたびに、「ガソリン税を下げてほしい」という声が聞かれます。

その中でも長年議論されてきたのが、「暫定税率」です。

令和8年度税制改正では、このガソリン税などの暫定税率が廃止されることとなりました。

ガソリン価格の負担軽減を歓迎する声がある一方で、「本当に値下がりするのか」「国や地方の財源は大丈夫なのか」といった疑問もあります。

今回は、ガソリン税の暫定税率廃止について、その背景と影響を考えてみます。

暫定税率とは何か

「暫定税率」という言葉からは、一時的な税金という印象を受けます。

しかし実際には、長年にわたって継続されてきたため、多くの人にとっては通常の税率として認識されていました。

もともとは道路整備などの財源を確保するために設けられた制度でしたが、その後も延長が繰り返され、今日まで続いてきた経緯があります。

今回の税制改正では、この「当分の間税率」が廃止されることになりました。

ガソリン価格はどれくらい下がるのか

講義資料では、ガソリン税の暫定税率が廃止されることによって、税負担そのものが軽くなるだけでなく、その税額にかかっていた消費税分も減少するため、理論上は1リットル当たり約27~28円程度の値下げ圧力が生じると説明されています。

もちろん、これは理論上の計算です。

実際の店頭価格は、

  • 原油価格
  • 為替相場
  • 流通コスト
  • 販売競争

など、さまざまな要因によって決まります。

そのため、必ずしも同じ幅だけ価格が下がるとは限りません。

家計への影響は大きい

自動車を日常的に利用する家庭にとって、燃料代は生活費の中でも大きな割合を占めます。

特に地方では、自動車が生活必需品です。

通勤や買い物、通院など、毎日の生活に欠かせません。

仮にガソリン価格が下がれば、

  • 家計の負担軽減
  • 物流コストの低下
  • 企業の経費削減

など、幅広い効果が期待されます。

燃料価格は私たちの生活全体に影響を与える重要な要素なのです。

一方で財源の課題もある

ガソリン税は重要な税収でもあります。

税率を引き下げれば、その分だけ国や地方自治体の税収は減少します。

道路の維持管理やインフラ整備には多くの費用が必要です。

人口減少が進む中で、道路や橋、トンネルなどの老朽化対策も大きな課題となっています。

つまり、税負担を軽減する一方で、必要な財源をどのように確保するかという新たな問題も生まれます。

自動車税制全体の見直しにつながる

今回の改正は、ガソリン税だけの話ではありません。

政府は、自動車税制全体を見直す方針を示しています。

EVの普及が進めば、ガソリン税収は今後減少していきます。

そのため、

  • ガソリン車
  • ハイブリッド車
  • EV
  • PHEV

それぞれが公平に負担する新しい税制のあり方が検討されています。

ガソリン税の見直しは、その第一歩と考えることができます。

私たちが注目すべきこと

ガソリン価格が下がることだけに目を向けるのではなく、その背景にある税制全体の改革にも注目することが大切です。

税制は社会の変化を映す鏡です。

環境政策、エネルギー政策、産業政策、財政政策など、さまざまな目的を実現するために設計されています。

今回の改正も、「安くなるかどうか」だけではなく、日本の自動車社会をこれからどのように支えていくのかという視点で考える必要があります。

結論

令和8年度税制改正では、長年続いてきたガソリン税の暫定税率が廃止されることになりました。

理論上はガソリン価格の引下げ効果が期待され、家計や企業の負担軽減につながる可能性があります。

一方で、道路整備などの財源確保という新たな課題も浮かび上がっています。

今後はガソリン車だけでなく、EVを含めた自動車全体を対象とした新しい税制へ移行していくことが予想されます。今回の改正は、その大きな転換点として位置付けることができるでしょう。

参考

令和8年度税制改正の実務ポイント 第4 消費税・自動車税・防衛税・地方税・納税環境整備(税理士・公認会計士 長谷川敏也 講義資料)

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