α世代 × 老後世代 価値観の断絶と、見落とされがちな接点

人生100年時代
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日本は世界でも例を見ないスピードで高齢化が進んでいます。
一方で、人工知能(AI)やデジタル技術と共に育ったα世代が、これから社会の中核を担っていく時代に入ろうとしています。

しばしば語られるのは「世代間の断絶」です。
価値観が違う、会話がかみ合わない、将来像が共有できない。
しかし本当に、α世代と老後世代の間には、超えられない溝しか存在しないのでしょうか。

本稿では、両世代の価値観の違いを整理したうえで、意外と見落とされがちな「接点」に焦点を当てて考えてみます。


老後世代が育ってきた社会と価値観

現在の老後世代が育ってきた社会は、右肩上がりの経済成長を前提としていました。
働けば賃金は上がり、貯蓄は増え、老後は年金を中心に生活するというモデルが成立していました。

その結果、次のような価値観が自然に形成されました。

  • 長く働くことが美徳
  • 所有することが安心につながる
  • 我慢や努力は将来報われる
  • 制度は一度決まれば大きく変わらない

老後世代にとって、年金や退職金、持ち家は「人生の安全装置」でした。


α世代が前提としている社会

一方、α世代が生まれ育っている社会は、全く異なる前提の上にあります。

  • 経済は必ずしも成長しない
  • 制度は頻繁に見直される
  • 技術は更新され続ける
  • 将来は不確実である

そのため、α世代は「長期の約束」や「固定された制度」に強い安心感を抱きにくい傾向があります。
代わりに重視するのは、柔軟性と選択肢の多さです。


「所有」から「アクセス」への意識の違い

老後世代は、家や車、預貯金といった「所有」を重視してきました。
所有することが、将来への備えであり、安心の象徴だったからです。

対してα世代は、必要なときに必要なものへアクセスできることを重視します。
サブスクリプション、シェア、クラウドといった考え方は、その象徴といえます。

この違いは、単なる嗜好の差ではなく、育ってきた社会環境の違いによるものです。


「お金」に対する距離感の違い

老後世代にとって、お金は「貯めるもの」であり、「減らさないもの」でした。
元本割れは避けるべきであり、現金や預貯金は安全な選択肢とされてきました。

一方、α世代はお金を「流動的な資源」として捉える傾向があります。
価値は固定されず、状況によって変化する。
そのため、体験やスキルへの投資には積極的でも、価値が目減りする消費には慎重です。

この感覚の違いが、投資や消費を巡る世代間の会話のすれ違いを生みやすくしています。


それでも存在する「共通の関心」

価値観の違いが強調されがちですが、実は両世代には共通点も多く存在します。

  • 健康で自立した生活を続けたい
  • 人とのつながりを失いたくない
  • 不安の少ない老後・将来を望んでいる

α世代が重視する「ほどよい距離感のつながり」は、老後世代が抱える孤立の問題とも通じます。
形は違っても、「人とどう関わるか」というテーマは共通しています。


テクノロジーが生む新しい接点

AIやデジタル技術は、世代間の断絶を広げる存在として語られがちです。
しかし見方を変えれば、接点を生むツールにもなり得ます。

  • 見守りサービスによる安心感
  • オンライン診療や行政手続きの簡素化
  • 家族間のコミュニケーション補助

α世代にとって自然な技術が、老後世代の生活の質を支える。
その逆に、老後世代の経験や知恵が、α世代の判断を支える。
この相互補完の関係は、今後ますます重要になります。


支える側・支えられる側という二分法を超えて

これまでの社会では、
「若い世代が高齢者を支える」
という一方向の構図が前提とされてきました。

しかし人口構造が変化する中で、この前提は限界を迎えています。
α世代と老後世代は、固定的な役割ではなく、状況に応じて支え合う関係へと移行していく必要があります。

そのためには、世代間で価値観の違いを否定するのではなく、「前提が違う」ことを理解する姿勢が欠かせません。


おわりに

α世代と老後世代の間にあるのは、単なる価値観の断絶ではありません。
異なる社会環境の中で形成された考え方の違いです。

その違いを埋めようと無理に同じ価値観を押し付けるのではなく、
違いを前提にしたうえで、どこに接点をつくるか。

それが、超高齢社会と超スマート社会が同時進行する日本において、避けて通れない課題だと感じます。


参考

・日本経済新聞「〈α-20億人の未来〉α世代、超スマート社会をけん引」
・α世代・世代間意識に関する各種研究・報道


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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