<記載日:2025年8月12日>
先日、税理士会の所属支部主催の研修がありました。
そのテーマが「所得税の基礎控除の見直し等の概略」でしたので、この内容について、少し書かせていただきたいと思います。
ですが…
研修の内容は、主に源泉所得税関係の実務に関することでしたので、皆さんに直接関係のありそうなところを例のごとく思いっきりザックリと書かせていただきます。
研修で使用された資料は、主に下記の2つです。
<令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係):国税庁HP>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025004-025.pdf
<令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A:国税庁HP>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf
Q&Aは、細かいので、後ほどご覧いただくとして…
こちらの資料だけ、少しみてみましょうか…。
<令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係):国税庁HP>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025004-025.pdf
こちらの資料のP2~4にありますとおり、以下の4点が令和7年分以後の所得税について適用されます。
① 基礎控除の見直し
② 給与所得控除の見直し
③ 特定親族特別控除の創設
④ 扶養親族等の所得要件の改正
まず、①②は、以前の記事でも書かせていただきましたが「103万円の壁」から「160万円の壁」への話ですね…。
https://note.com/holy_rail8331/m/mc10034e9d7c9
しっこいようですが、この壁は所得税の話であって、住民税や社会保険は別の「壁」がありますからね…。
でも、まあ、これも今回の選挙結果を受けて、どうなるんでしょうね…。
国民民主党も議席を伸ばしましたからね…。
さてさて、細かな話はさておき、①基礎控除の見直しはP2にありますとおり、所得金額に応じて基礎控除額が変わってきますね…。
ただし、令和9年分以降は変わってきますね…。
132万円以下は変わりませんが、132万円超は58万円になりますね…。
続いて、②給与所得控除の見直しについては、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられたという話ですね…。
そして、①の 132万円以下の基礎控除額95万円と②の最低保障額65万円を合算して160万円となり、
「160万円の壁」の出来上がり、ということでしたね…。
これは、令和7年11月までの給与では変更はないのですが、令和7年12月に行なう年末調整の際に精算されるわけですね。
ちなみに、公的年金についても、所得税の基礎控除額の引上げによって、源泉徴収の対象とならない年金額が引上げになりますが、これも令和7年 12月の年金支払時に精算されるみたいですね。
令和7年 12月に公的年金の支払いがないは、確定申告で精算することになるので、注意が必要ですね。
続いて、③特定親族特別控除の創設ですが、P3に記載のとおりですので、詳細をご覧いただきたいのですが、大学生とかの子ども(特定親族)がいる家庭で、その子どもがバイトとかで所得があった場合で、扶養控除の要件の1つである『親族等の合計所得金額58万円以下』を超えてしまっても、特定親族特別控除でどうにか 63万円控除を受けられるということですね。
この③特定親族特別控除を受けようと思う場合は、年末調整で「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出しなければいけません。
公的年金等を受けている方や個人事業主とか、年末調整がない場合は、確定申告しなければならないですね。
最後、④扶養親族等の所得要件の改正は、基礎控除の改正に伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が引き上げられたということですね。
この④についても、適用を受けようと思う場合は「給与所得者の扶養控除(異動)報告書」を提出しなければいけません。
こちらも、公的年金等を受けている方や個人事業主とか、年末調整がない場合は、確定申告しなければならないです。
いずれにせよ、今年の年末調整や確定申告では、還付金が受け取れるようになるので、漏れなく対応しなければいけませんね。
ということで、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も引き続き、よろしくお願いいたします。