S&P500、年初1%高が示す「吉兆」と2026年相場の読み方

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2026年の株式市場は、波乱含みの幕開けとなりました。年初早々、米国によるベネズエラへの軍事行動という地政学リスクが意識され、市場の不安定化を懸念する声も聞かれました。しかし、そうした不透明要因を抱えながらも、米国株式市場は底堅さを見せています。

特に注目されるのが、S&P500指数が年初5営業日で1%を超える上昇となった点です。過去の統計では、この動きがその年の相場全体にとって「吉兆」となったケースが少なくありません。本稿では、この年初上昇が持つ意味を整理しつつ、2026年の米国株式市場をどう読み解くべきかを考えていきます。

年初5営業日の1%高が意味するもの

S&P500指数は、米国株式市場を代表する指数として、世界中の機関投資家が運用の基準にしています。この指数が年初の5営業日で1%以上上昇した年は、1950年以降の長期データで見ると、年間平均リターンが高い傾向にあります。

過去の例では、2021年や2023年がその典型でした。年初に良好なスタートを切ったことで投資家心理が改善し、その後もリスク資産への資金流入が続いた結果、年間を通じて大きな上昇につながっています。
もちろん統計は将来を保証するものではありませんが、市場参加者のセンチメントを測る一つの参考指標としては無視できない材料です。

相場を支える二つの柱:AIと金融政策

2026年の米国株式市場を支えるテーマとして、引き続き重要なのが人工知能(AI)と金融政策です。
AI分野では、生成AIやデータセンター関連投資が一段と拡大しています。単なるソフトウェア開発にとどまらず、半導体、ストレージ、電力インフラといった裾野の広い分野へ波及している点が特徴です。

一方、金融政策では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期が引き続き注目されています。直近の雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を下回り、インフレ圧力が過度に強まっていないことが示されました。これにより、年後半の金融緩和期待が完全には後退していない状況です。

株式市場にとって、AIによる成長期待と、金融引き締めが一段落する可能性の組み合わせは、引き続き追い風となり得ます。

電力・インフラ関連銘柄に広がる物色

AI向けデータセンターの増設が進む中で、新たに注目されているのが電力・エネルギー分野です。大量の電力を必要とするAIインフラの拡大は、電力不足への懸念を高める一方で、関連企業にとっては収益機会の拡大を意味します。

実際、電力供給契約や次世代原子力発電への投資といったニュースをきっかけに、電力関連株が大きく上昇する場面も見られました。AIブームは半導体企業だけでなく、インフラ全体を巻き込むテーマへと進化しています。

主役銘柄の調整は警戒か、それとも健全か

一方で、これまで市場を牽引してきた一部の大型ハイテク株には調整の動きも見られます。短期的な株価下落をもって成長ストーリーの終焉と捉える向きもありますが、現時点では健全な調整の範囲と見る見方が優勢です。

市場参加者の関心は、次の決算発表で成長の持続性が確認できるかどうかに集まっています。仮に業績面で再び強さが示されれば、評価の見直しが進む可能性もあります。

リスク要因とどう向き合うか

2026年も、相場を揺るがすリスク要因が消えることはありません。関税を巡る訴訟、地政学的緊張、政治リスクなど、不確実性は常に存在します。
こうした環境下では、短期的なニュースに一喜一憂して市場から離れてしまうよりも、リスクを認識したうえで市場に「参加し続ける」姿勢が重要になります。

過去のデータが示す年初上昇の「吉兆」は、楽観を意味するものではありません。むしろ、変動を前提としながらも、長期的な成長テーマにどう向き合うかを考えるための材料と捉えるべきでしょう。

結論

S&P500指数の年初1%超の上昇は、2026年相場に対する市場の前向きな期待を映し出しています。AI投資の拡大、金融緩和への期待、インフラ分野への波及といった要因は、引き続き米国株式市場の重要な支柱となりそうです。

一方で、相場は常に波を打ち、調整局面も避けられません。重要なのは、短期的な変動に振り回されるのではなく、全体の流れを見据えた判断を積み重ねることです。
2026年は、「吉兆」を過信せず、しかし悲観に傾きすぎることもなく、市場と向き合う姿勢が問われる一年になると言えるでしょう。

参考

・日本経済新聞「S&P500、1%高の吉兆」
・日本経済新聞 米国市場・金融政策関連記事


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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