NISA・iDeCoの中でREITをどう位置づけるか― 分配金・価格変動・老後資産の役割整理 ―

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NISAやiDeCoの普及が進む中で、「この枠の中でREITは必要なのか」「株式や投資信託だけで十分ではないか」と感じる人も少なくありません。
特に国内REIT(J-REIT)は、値動きが分かりにくく、金利の影響を受けやすい資産として敬遠されがちでした。

しかし、足元ではJ-REITが金利上昇局面でも堅調に推移し、改めてNISA・iDeCoの中での役割が見直されつつあります。
本稿では、NISAとiDeCoそれぞれの制度特性を踏まえながら、REITをどのように位置づけて考えるべきかを整理します。


NISAとiDeCoの制度的な役割の違い

まず、両制度の基本的な役割を整理します。

NISAは、
・いつでも売却できる
・非課税期間が長く、使い勝手が良い
・中長期の資産形成を目的とする
制度です。

一方、iDeCoは、
・原則60歳まで引き出せない
・掛金が全額所得控除
・老後資金の「専用口座」
という性格を持っています。

この違いを踏まえると、
NISAは柔軟性重視、iDeCoは老後専用・長期固定
という整理ができます。


株式中心運用の弱点を補う資産としてのREIT

NISA・iDeCoでは、株式型投資信託(国内株・海外株)を中心に運用する人が多くなっています。
成長性という点では合理的ですが、以下の弱点もあります。

・価格変動が大きい
・相場環境によっては長期間停滞する
・取り崩し期に下落すると心理的負担が大きい

REITは、こうした弱点を部分的に補う資産です。
不動産賃料を原資とする分配金収入があり、株式とは異なる値動きをする場面があります。
特に国内REITは、オフィス・物流・住宅など実物資産の集合体であり、インフレ耐性を持ちやすいという特徴があります。


NISAにおけるREITの位置づけ

NISAでは、REITは「成長枠」の中で扱われることが多くなります。

この枠でのREITの役割は、
・分配金を非課税で受け取れる
・株式一辺倒になりがちなポートフォリオの分散
・相場急変時のクッション
です。

短期売買を前提にする資産ではなく、
株式+REIT+現金のバランスを整えるための中核的分散資産
として位置づける方が制度と相性が良いと言えます。

特に年金世代が近づくにつれて、NISA内でのREIT比率を徐々に高めるという考え方も成り立ちます。


iDeCoにおけるREITの位置づけ

iDeCoは老後専用口座であり、最終的には年金または一時金として受け取ることになります。
そのため、
・価格変動が激しすぎない
・分配原資が比較的安定している
資産との相性が重要です。

iDeCoでのREITは、
「老後のインカム源を育てる資産」
として位置づけることができます。

特に国内REITは、
・為替リスクがない
・賃料収入が国内経済と連動
という点で、老後生活との親和性が高い側面があります。

株式100%運用に比べ、
株式+REITの組み合わせは、受取開始前後の価格変動リスクを和らげる効果が期待されます。


分配金再投資という視点

NISA・iDeCoいずれにおいても重要なのが、分配金の扱いです。
現役期では、分配金を生活費に使うのではなく、再投資によって口数を増やすという考え方が基本になります。

REITは分配金利回りが可視化されやすいため、
「収入が出ている」という実感を持ちやすい資産です。
これは長期運用を継続するうえで、心理的な支えになる側面もあります。


結論

NISA・iDeCoの中でREITをどう扱うかは、
「利回りが高いかどうか」だけで決めるものではありません。

・株式中心運用のリスクをどう調整するか
・老後の取り崩しを見据えた資産構成をどう作るか
・分配金というキャッシュフローをどう評価するか

こうした観点から見ると、REITは
NISAでは分散と柔軟性の補完役
iDeCoでは老後インカムの土台
として整理することができます。

REITを「中途半端な資産」と見るか、「役割のある資産」と見るかで、制度活用の質は大きく変わります。


参考

・日本経済新聞「国内REIT 逆風下で堅調」
・各証券会社・運用会社のREITリサーチ資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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