税金

税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑦ 個人所得課税④ ― 高所得者課税はどこまで強化されるのか

令和8年度税制改正大綱では、個人所得課税の分野で「極めて高い所得水準の人への課税強化」が明確に打ち出されました。令和5年度改正で導入された「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」は、いわゆる超富裕層を対象とする最低税率的な仕組みです...
税理士

国外支店長を兼務する役員と源泉所得税の判定――「常時使用人」の曖昧さを考える

国外支店に赴任した役員の報酬は、国内源泉所得に該当するのでしょうか。それとも国外源泉所得となるのでしょうか。所得税法上、「内国法人の役員であっても、国外において常時使用人として勤務する場合に受ける役員報酬は、一般の使用人と同様に国内源泉所得...
税理士

家事関連費の按分はどこまで許されるのか ― 必要経費否認リスクを考える

個人事業主やフリーランスにとって、必要経費の範囲は所得税計算の根幹をなします。なかでも問題になりやすいのが「家事関連費」です。自宅兼事務所の家賃、水道光熱費、通信費、交際費など、事業と私生活が混在する支出は少なくありません。しかし、その処理...
税理士

税制改正と「評価」のねじれ――時価とは何かを改めて考える

税制改正大綱という言葉を聞くと、多くの人は税率の変更や新たな控除の創設といった「法律の改正」を思い浮かべます。ところが近年、税法そのものの改正ではなく、「評価」の見直しが税制改正大綱に盛り込まれるケースが目立っています。令和8年度税制改正大...
FP

遺言は家族を救うのか――二通の文書が問いかけた相続の現実

遺言は本来、家族間の紛争を防ぎ、円滑な相続を実現するための制度です。しかし、書き方や意図の伝え方を誤ると、かえって深刻な対立を生むことがあります。ある高齢の母親が残した二通の自筆文書をめぐる遺言有効確認訴訟は、その典型例といえるでしょう。本...
FP

米最高裁「関税違憲」判決の法的意味と、日本の立場──国内法と国際秩序のはざまで

米連邦最高裁は、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した相互関税について、大統領には関税を課す権限がないと判断しました。この判決は、単に一つの関税措置を無効としただけではありません。米国憲法が関税賦課権限を議会に帰属さ...
FP

WTO紛争解決制度はなぜ機能不全に陥ったのか──上級委員会停止の背景

米国の関税政策を巡る議論のなかで、しばしば指摘されるのがWTO(世界貿易機関)の紛争解決制度の機能不全です。本来、WTOは加盟国間の貿易紛争を法的に処理する仕組みを備えています。追加関税がルール違反かどうかを判断し、是正を求めるのがその役割...
FP

関税とWTOルールの関係──「力の関税」と多国間秩序の揺らぎ

米連邦最高裁がIEEPAを根拠とする相互関税を違憲と判断しました。しかし、米国は1974年通商法122条に基づく一律10%関税を発動し、さらに301条や232条の活用も視野に入れています。ここで改めて問われるのが、「これらの関税措置はWTO...
FP

違憲判決後の関税リスクマップ──IEEPA・122条・301条・232条の違いを整理する

米連邦最高裁は、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した相互関税などを違憲と判断しました。しかし、関税政策そのものが消えたわけではありません。政権は直ちに1974年通商法122条を用いた一律10%関税を発動し、さらに3...
FP

相互関税「違憲」判決の本質──米国の権力分立と関税権限の線引き

米連邦最高裁が、トランプ政権の相互関税などを違憲と判断しました。関税政策はしばしば「経済政策」として語られますが、今回の判決の核心は経済ではなく、米国の統治の仕組みそのものにあります。トランプ氏は判決直後に、別の法律を根拠に一律10%関税を...