税金

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税制改正はどこへ向かうのか—令和9年度税理士会意見書から読み解く日本の税制(第4回)所得税はなぜ複雑になるのか(控除と再分配の構造)

消費税が広く薄く負担を求める税であるのに対し、所得税は負担能力に応じて課税を行う税制の中心的存在です。いわば、再分配機能の主役といえる位置付けにあります。しかし、その所得税は現在、極めて複雑な制度となっています。控除の多さや課税方法の違いに...
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税制改正はどこへ向かうのか—令和9年度税理士会意見書から読み解く日本の税制(第3回)消費税はどこへ向かうのか(制度疲労の分析)

消費税は、日本の税制の中でも最も議論の多い税目です。税率の引上げに加え、軽減税率やインボイス制度の導入など、近年の改正は制度を大きく変化させてきました。本来、消費税は広く薄く負担を求めることで安定した財源を確保する仕組みとして設計されていま...
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税制改正はどこへ向かうのか—令和9年度税理士会意見書から読み解く日本の税制(第2回)税制の基本的な考え方とは何か(公平・中立・簡素)

税制改正を読み解くうえで欠かせないのが、税制の基本原則です。前回は、税制改正がどのような意思決定のもとで行われているのかを整理しましたが、その判断の基準となるのが「公平・中立・簡素」という三つの考え方です。これらは単なる理想論ではなく、すべ...
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税制改正はどこへ向かうのか—令和9年度税理士会意見書から読み解く日本の税制(第1回)税制改正は誰のために行われているのか

税制改正は毎年のように行われていますが、その内容を丁寧に読み解く機会は多くありません。多くの場合、改正内容は断片的に理解され、「何が変わるのか」に意識が向きがちです。しかし、本来重要なのは「なぜその改正が行われるのか」という視点です。今回取...
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税制変更コストは誰が負担しているのか 企業・消費者・政府の三者構造

税制は法律で決まるものですが、その変更は「無料」で実現されるわけではありません。制度を変えるたびに、必ずどこかでコストが発生しています。では、そのコストは誰が負担しているのでしょうか。本稿では、企業・消費者・政府という三者の視点から、税制変...
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食品消費税ゼロはなぜ難しいのか システムと実務から読み解く本当の障壁

消費税の負担軽減策として、食料品の税率をゼロにする議論が浮上しています。一見すると単純な減税措置のように見えますが、実務の現場では大きな課題が指摘されています。その代表例が「レジシステムの改修に時間がかかる」という問題です。なぜ税率を下げる...
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Amazon・楽天・海外モール別の消費税整理―ケース別に見る課税関係の違い

プラットフォーム型取引における消費税の判断は、「誰が販売主体か」という抽象論だけでは不十分です。実務では、具体的なモールごとの取引構造を理解し、それに応じて課税関係を判断する必要があります。本稿では、代表的なプラットフォームであるAmazo...
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プラットフォーム型取引と消費税―誰が売っているのかという本質問題

越境ECやデジタル取引の拡大により、プラットフォームを介した取引が一般化しています。しかし、消費税の観点では、この「プラットフォームの存在」が課税関係を複雑にする最大の要因となっています。本稿では、プラットフォーム型取引における消費税の考え...
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越境ECと消費税―輸出免税の適用判断と実務ポイント

近年、国内事業者が海外のECサイトを通じて商品を販売するケースが増えています。一見すると海外販売であるため「輸出免税」と考えがちですが、実務上は取引構造によって課税関係が大きく異なります。本稿では、越境ECにおける消費税の基本的な考え方と、...
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最終総括:目的で変わる税務判断―形式ではなく実質で捉える思考法

これまで本シリーズでは、建物解体費や取得費・譲渡費用などを題材に、「費用か資産か」という税務上の重要論点を整理してきました。一見すると個別論点の集まりのように見えますが、そこには一貫した判断原理が存在します。それが、「目的によって税務判断は...