この間の日経新聞の朝刊で「会計士の下積み期間がAIで短縮されている」という記事がありました。
会計士といえば、数字に強く、長い下積みを経てようやく一人前になる…
そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ところが今では、AIが領収書のチェックや単純な計算を代わりにやってくれるため、下積み期間が短縮されているようですね…。
これは会計士に限った話ではなく、私たちの身近な仕事や生活にも直結しているテーマだと思います。
今回は、そのあたりを少し考えてみます。
1. 「下積み」がなくなるってどういうこと?
昔はどんな仕事でも「まずは雑用から」という流れがありました。
資料をまとめたり、数字をひたすらチェックしたり、メールを整理したり…。
でも今、その「最初の仕事」をAIがどんどん肩代わりし始めています。
- 領収書の整理はアプリで自動仕訳
- 会議の議事録はAIが瞬時に作成
- 顧客データの分析もAIが一発で処理
つまり、「下積み」と呼ばれてきた作業が、そもそも必要なくなりつつあるのです。
2. AIにできないことは何か?
便利になった一方で、AIにはまだまだできないことがあります。
たとえば、こんな場面です。
- お客さんが「本当は何に困っているのか」を会話から読み取る
- 曖昧な状況で「どちらが良いか」を決める
- 人の気持ちに寄り添って提案する
AIは「答えを出すこと」は得意でも、「相手の感情を理解する」ことは苦手です。
だからこそ、人にしかできない役割はこれからも残ります。
3. 若い世代の成長は早くなるけど…
AIが雑務を引き受けることで、若手が早く大きな仕事に携われるのは良いことです。
ただ一方で、「地味だけど大事な経験」を飛ばしてしまうと、本当に実力がつくのか?という不安もあります。
これからの育成は、「AIに任せつつ、必要な経験もきちんと積む」というバランスが大切になりそうです。
4. 私たち一人ひとりへの影響
「会計士の話だから、自分には関係ない」と思うかもしれません。
でも実は、どんな仕事でもAIは入り込んできます。
- 営業職なら、お客様情報の整理はAIが代わりにやってくれる
- 事務職なら、資料作成や翻訳をAIが瞬時にこなす
- 自営業や副業でも、経理や税金の計算をAIが助けてくれる
つまり、AIはすでに生活や仕事のすぐ隣に来ているのです。
5. これから人に求められる力
では、AIと共存する時代に、人に求められる力は何でしょうか。
- AIを正しく使える力
「全部任せる」ではなく、「使いこなす」ことが大事。 - 判断力
AIが出した答えをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考えること。 - 人に寄り添う力
数字やデータでは測れない部分を理解し、相手に安心を与えること。
AIが「下積み」を短縮する時代は、裏を返せば「人にしかできない部分の価値がより際立つ」時代です。
便利になればなるほど、最後に必要なのは「人の判断」や「人の思いやり」。
AIと人間、それぞれの強みを活かしていけるかどうかが、これからの私たちの働き方を決めるカギになりそうです。
ということで、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、引き続きよろしくお願いいたします。

