令和7年度税制改正で変わるiDeCo 拠出限度額引上げと加入年齢70歳までの実務的ポイント

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令和7年度税制改正では、個人型確定拠出年金(iDeCo)について、拠出限度額の大幅な引上げと加入可能年齢の見直しが盛り込まれました。
制度改正自体はすでに知られていましたが、令和8年12月から実際に適用されることが正式に確定し、実務上の影響が具体的に見えてきました。

本記事では、今回のiDeCo改正について、制度の全体像を整理したうえで、拠出限度額の変更点、加入年齢の見直し、そして実務・ライフプラン上の注意点を解説します。

改正の実施時期と位置づけ

今回のiDeCo改正は、令和7年度税制改正に基づくものです。
国民年金基金令等の一部を改正する政令が令和7年12月24日に公布され、施行日は令和8年12月1日とされました。

実際の拠出については、令和9年1月26日引き落とし分から新しい限度額が適用されることになります。
制度改正が決まってから実際に使えるようになるまで時間差がある点は、iDeCoに限らず年金制度全般に共通する特徴です。

拠出限度額の引上げ内容

今回の改正で最も注目されるのが、毎月の拠出限度額の大幅な引上げです。被保険者区分ごとに整理すると、次のようになります。

第1号被保険者(自営業者など)

国民年金基金との合計で、
現行:月額6万8,000円
改正後:月額7万5,000円

自営業者等については、もともと拠出枠が大きいものの、老後資産形成の手段が限られていることから、さらなる上積みが可能となります。

第2号被保険者(会社員・公務員)

会社員等については、企業年金の有無により区分されています。

企業年金を実施していない場合

現行:月額2万3,000円
改正後:月額6万2,000円

企業年金を実施している場合

現行:iDeCo月額2万円(企業年金と合わせて5万5,000円が上限)
改正後:iDeCo月額6万2,000円(企業年金と合わせて6万2,000円が上限)

これまで企業年金の有無によって細かく分かれていた仕組みが整理され、会社員の拠出枠は実質的に大きく拡充されることになります。

加入可能年齢が70歳まで拡大

もう一つの重要な改正点が、iDeCoの加入可能年齢の見直しです。
これまでiDeCoは、国民年金の被保険者であることが前提となり、被保険者区分ごとに加入可能年齢が異なっていました。

具体的には、
・第1号被保険者:60歳未満
・第2号被保険者:65歳未満
・第3号被保険者:60歳未満
・任意加入被保険者:65歳未満

といった形で、制度が非常に複雑でした。

今回の改正により、働き方にかかわらず70歳までiDeCoに加入できる仕組みへと見直されます。
高齢期でも就労を続ける人が増えている現状を踏まえた改正といえます。

加入継続の条件と拠出限度額の整理

70歳まで加入できるとはいえ、誰でも無条件に拠出できるわけではありません。
主な条件として、
・老齢基礎年金を受給していないこと
・iDeCoの老齢給付を受給していないこと

などが求められます。

また、拠出限度額については、原則として月額6万2,000円が基本となります。
被保険者区分による細かな差異は整理され、制度としてはシンプルな設計に近づいたといえます。

実務・ライフプラン上の注意点

今回の改正は、拠出額・加入期間ともに拡大する内容であり、老後資産形成の選択肢を広げるものです。一方で、注意すべき点もあります。

第一に、iDeCoは原則として60歳まで資金を引き出せない制度である点です。
加入期間が長期化するほど、途中で資金を使えないリスクとのバランスを考える必要があります。

第二に、拠出限度額が増えたからといって、必ずしも満額拠出が適切とは限らない点です。
生活資金、緊急予備資金、他の制度(NISA等)との役割分担を踏まえた設計が重要になります。

第三に、70歳まで加入可能となったことで、「いつまで拠出し、いつから受給するか」という出口戦略の検討が、これまで以上に重要になります。
受給方法(一時金・年金)や受給時期による税務上の扱いも含め、事前の整理が欠かせません。

結論

令和7年度税制改正によるiDeCoの見直しは、拠出限度額の引上げと加入年齢70歳までの拡大という、大きな転換点となる改正です。
一方で、制度を「使える」かどうかは、個々人の働き方や資産状況、老後設計によって異なります。

拠出枠の拡大を単なるメリットとして捉えるのではなく、他の制度との組み合わせや将来の受給まで含めた全体設計の中で、iDeCoをどう位置づけるかが、今後ますます重要になっていくといえるでしょう。

参考

・税のしるべ「7年度税制改正によるイデコの拠出限度額の引上げは令和8年12月から実施」(2026年2月2日)
・令和7年度税制改正関連資料(年金・税制関係)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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