為替と海外資産投資 初心者は投資信託で長期投資を考える

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

円安やインフレが続くなか、円建て資産だけを保有していてよいのか、不安を感じる人は少なくありません。
多くの人にとって、収入も貯蓄も円建てである以上、円の価値が低下した場合の影響は避けられません。そのため、一定の海外資産を保有することが、資産防衛の観点から重要になっています。

もっとも、海外資産といっても、外貨預金や外貨建て保険、投資信託、ETFなど選択肢は多く、特に初心者ほど商品選びに迷いがちです。本稿では、海外資産投資における商品選びの考え方を整理します。

年金運用に学ぶ分散投資の考え方

海外資産投資を考える際の参考として、日本の公的年金の運用があります。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、基本ポートフォリオとして、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券をそれぞれおおむね25%ずつ保有しています。

この資産配分の目的は、高い利回りを追求することではありません。
一定の運用収益を確保しつつ、特定の資産価格が大きく下落した場合でも、全体への影響を抑えることにあります。値動きの異なる資産を組み合わせる「分散投資」は、長期運用の基本的な考え方です。

個人向けにも、この考え方を取り入れたバランス型投資信託が数多く提供されています。

外貨預金・外貨建て保険は必須ではない

海外資産というと、外貨預金を思い浮かべる人もいます。
円預金しか持っていない人にとって、為替の動きを意識しやすくなる点は一つの効果といえます。

一方で、外貨預金は円高になった場合に円換算で元本割れする可能性があり、金利水準も必ずしも高いとは言えません。
外貨建て保険についても、為替リスクに加えて保障コストや手数料が上乗せされるため、運用商品としての効率は高くありません。

長期の資産形成という観点では、これらの商品は多くの人にとって必須とは言えないでしょう。

海外株式インデックス投信が基本

投資初心者が海外資産を保有する場合、中心になるのは海外株式インデックス投資信託です。
全世界の株式市場に分散投資するタイプであれば、特定の国や地域への偏りを抑えることができます。

代表例として、三菱UFJアセットマネジメントが運用するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)があります。
いわゆるオルカンは、世界中の株式に幅広く投資しながら、信託報酬などの保有コストが低水準に抑えられている点が特徴です。NISAのつみたて投資枠の対象でもあり、少額から積立投資が可能です。

投資信託協会の調査でも、外国株式投信を保有している人の割合は高く、海外資産投資の主流になりつつあります。

米国株集中型との違い

海外株式投資では、米国株に連動する投資信託も人気があります。
特にS&P500に連動する投信は、近年の株価上昇を背景に注目を集めています。

一方、全世界株式の指数であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、米国以外の先進国や新興国も含めた分散投資を行います。
オルカンも実際には米国株の比率が6割を超えており、世界分散と米国集中の中間的な性格を持っています。

NASDAQ100やFANGプラスといった指数連動型投信は、高い成長性が期待される一方で、値動きが大きくなりやすく、分散効果は限定的です。初心者が主力商品として選ぶ場合は注意が必要です。

初心者の保有割合の目安

投資を始める際は、まず生活防衛資金を確保することが前提です。
そのうえで、運用可能な資金のうち、4分の1から3分の1程度を海外株式インデックス投信で保有するだけでも、円安への備えとしては十分な意味があります。

残りの資金は、個人向け国債の変動10年など、価格変動の小さい商品で保有する方法も考えられます。
外国債券については無理に組み入れる必要はなく、長期運用が可能な個人であれば、外国株式中心の構成でも問題ありません。

結論:シンプルな商品を長く持つ

円の価値低下に備える海外資産投資は、複雑にする必要はありません。
低コストの海外株式インデックス投信を活用し、NISAの非課税枠を使いながら、無理のない金額で長期投資を続けることが基本です。

商品を増やしすぎず、自分が理解できる仕組みを長く続けること。
それが、為替変動に振り回されにくい資産形成につながります。


参考

・日本経済新聞 2026年1月14日 夕刊
 マネー相談 黄金堂パーラー 為替と海外資産投資(下) 商品選び
・日本経済新聞 2026年1月14日 夕刊
 円の価値低下に備えを


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました