確定申告のデジタル化が進む中で、利用者が年々増えているのがマイナポータル連携です。
令和7年分の確定申告では、このマイナポータル連携によって自動取得できる情報の範囲がさらに拡大しています。
「結局、何が自動で入るのか分からない」「どこまで入力を省略できるのか判断がつかない」といった声も少なくありません。
本稿では、マイナポータル連携によって実際に確定申告書等作成コーナーへ自動反映される情報を整理し、実務上の位置づけを確認します。
マイナポータル連携の基本的な仕組み
マイナポータル連携とは、マイナポータルを通じて、行政機関や民間事業者が保有する各種証明データを、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」に連携する仕組みです。
連携を行うことで、納税者自身が紙の証明書を見ながら入力する必要がなくなり、
・転記ミス
・記載漏れ
・控除の失念
といったリスクを大きく減らすことができます。
医療費控除に関する自動取得情報
医療費控除については、すでに多くの方がマイナポータル連携を利用しています。
具体的には、次のような情報が自動取得の対象となります。
医療機関・薬局ごとの医療費支払額
健康保険組合等が把握している自己負担額
年間の医療費合計額
これらの情報は、医療費控除の入力画面に自動反映されます。
ただし、自由診療や保険適用外の医療費、家族分で未連携のものなどは別途入力が必要になる点には注意が必要です。
ふるさと納税に関する寄附金情報
ふるさと納税についても、マイナポータル連携の代表的な活用分野です。
寄附先自治体や寄附金額などの情報が自動取得され、寄附金控除の入力が簡略化されます。
令和7年分からは、ふるさと納税以外の寄附金についても対象が拡大されました。
具体的には、次の団体への寄附が連携対象となっています。
国連UNHCR協会
国境なき医師団日本
日本ユニセフ協会
これにより、寄附金控除の対象となる寄附について、証明書の入力作業が不要となります。
生命保険・損害保険に関する新たな連携対象
令和7年分確定申告の大きなポイントが、保険関係情報の連携拡充です。
これまで主に保険料控除が中心でしたが、次の情報が新たに自動取得の対象となりました。
生命保険契約等の一時金・年金
損害保険契約等の満期返戻金・年金
これらは、一時所得や雑所得として申告が必要となるケースが多く、
「申告が必要かどうか分かりにくい」
「金額の把握が面倒」
といった声が多い分野です。
マイナポータル連携により、受取金額が自動反映されることで、申告漏れ防止の効果が期待されます。
年末調整・給与情報との関係
会社員の場合、年末調整で完結するケースも多いですが、確定申告が必要な場合には給与情報の連携も重要です。
源泉徴収票の内容は、マイナポータル連携を通じて自動取得され、
給与収入額
源泉徴収税額
社会保険料控除額
などが確定申告書に反映されます。
これにより、源泉徴収票を見ながら数字を転記する作業が不要となります。
自動取得できない情報と注意点
マイナポータル連携は万能ではありません。
次のような情報は、自動取得の対象外となることがあります。
個人間の金銭授受に関する所得
未連携事業者からの支払情報
現金で支払った医療費等の一部
また、連携対象であっても、マイナポータル側で事前の同意設定を行っていない場合はデータが取得されません。
申告直前ではなく、余裕をもって連携状況を確認しておくことが重要です。
結論
マイナポータル連携によって自動取得される情報は、医療費、寄附金、給与、保険金受取など、確定申告の中核を占める分野へと広がっています。
特に令和7年分では、保険金や寄附金の連携拡充により、申告漏れ防止という点での重要性が一段と高まっています。
一方で、すべての情報が自動で反映されるわけではないため、連携対象外の取引や収入については、引き続き自己確認が欠かせません。
マイナポータル連携を「丸投げ」するのではなく、補助的な仕組みとして正しく使うことが、正確な確定申告につながります。
参考
・税のしるべ「7年分確定申告はスマホとマイナポータル連携の利用を、ボイスボットも試行的に導入」(2026年1月5日)
・国税庁 マイナポータル連携に関する公表資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
