前回は、主役株の調整をどう捉えるべきかについて整理しました。相場の中で調整は避けられないものであり、その意味を見誤らないことが重要である、という点を確認しました。
しかし、株式市場が不安定になるきっかけは、企業業績や金利動向だけではありません。2026年相場を見渡すと、地政学リスクや政治リスク、制度変更といった「外生的な要因」が常に意識されています。本稿では、こうしたリスクをどう捉え、市場と向き合うべきかを考えます。
相場に影響を与えるリスクの種類
株式市場を揺らすリスクは、大きく分けると次の三つに整理できます。
一つ目は、地政学リスクです。
地域紛争や軍事行動、国際関係の緊張は、突発的に市場心理を冷やす要因となります。エネルギー価格や為替を通じて、企業業績に間接的な影響を与える点も特徴です。
二つ目は、政治リスクです。
関税政策、選挙結果、政権の政策方針などは、市場の前提条件を変える可能性があります。特に通商政策や規制強化は、特定の業界に集中的な影響を及ぼします。
三つ目は、制度・ルール変更リスクです。
税制、会計基準、金融規制などの変更は、短期的には不透明感を高めますが、中長期的には市場の新たな方向性を示すこともあります。
なぜリスクは消えないのか
投資を続けていると、「リスクが落ち着いてから投資したい」と考えたくなるものです。しかし、現実にはリスクが完全に消える局面はほとんどありません。
市場は常に、
- 既知のリスク
- まだ表面化していないリスク
を同時に抱えています。
2026年相場も例外ではなく、地政学、政治、制度のいずれについても「次は何が起きるかわからない」という状態が続いています。重要なのは、リスクが存在すること自体ではなく、市場がそれをどう織り込んでいるかです。
リスクと株価の関係
興味深い点は、リスクが高まっている局面でも、株式市場が必ずしも下落し続けるわけではないことです。
不確実性が意識される一方で、企業業績や成長テーマが維持されていれば、株価は底堅さを保つことがあります。
これは、投資家が
- 最悪の事態を想定したうえで
- それでも成立する成長シナリオ
を探しているためです。
逆に言えば、リスクが顕在化したときに市場が大きく動くのは、「想定を超えた変化」が起きた場合だと考えられます。
個人投資家がとりがちな極端な行動
リスクが強調される局面では、個人投資家の行動が極端になりやすくなります。
一つは、すべてを悲観して市場から離れてしまう行動です。
短期的には安心感が得られるかもしれませんが、その後の回復局面に参加できなくなる可能性があります。
もう一つは、リスクを無視して楽観に傾きすぎる行動です。
想定外の事態が起きた場合、損失を受け止めきれなくなる恐れがあります。
重要なのは、「リスクを前提に参加し続ける」という姿勢です。
リスクと向き合うための実践的視点
2026年相場でリスクと向き合うためには、次のような視点が有効です。
- リスクの内容を具体的に言語化する
- そのリスクが業績や市場構造に与える影響を考える
- 短期的影響と中長期的影響を分けて整理する
漠然とした不安のままでは判断を誤りやすくなります。
「何が起きたら前提が崩れるのか」を意識することで、冷静な判断が可能になります。
結論
2026年相場では、リスク要因が尽きることはありません。地政学、政治、制度変更といった不確実性は、常に市場の背景に存在し続けます。
しかし、リスクがあるからといって市場から距離を置くことが、必ずしも最適解とは限りません。重要なのは、リスクを認識したうえで、それを前提に市場と向き合う姿勢です。
次回の最終回では、これまでの内容を踏まえ、不確実な時代における市場との付き合い方、そして2026年相場で求められる投資姿勢について総まとめを行います。
参考
・日本経済新聞 国際情勢・市場分析関連記事
・日本経済新聞 米国株式市場関連記事
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
