2026年に入り、世界の株式市場では意外な地域が注目を集めています。
南アフリカやカナダといった「資源国」の株価指数が相次いで最高値圏に到達しているのです。
これまで世界の株式市場をけん引してきたのは、米国のハイテク株や成長株でした。しかし足元では、銀や銅、プラチナなどの価格上昇を背景に、鉱山関連企業を多く抱える国々の株式市場が存在感を高めています。
本稿では、南アフリカやカナダの株価がなぜ上昇しているのか、その背景を整理し、今後の投資環境を考えるうえでの示唆をまとめます。
資源国株が最高値を更新する背景
銀・銅・プラチナ価格の上昇
資源国株上昇の最大の要因は、資源価格の上昇です。
銀や銅、プラチナといった金属価格は、2025年後半から上昇基調を強めています。
背景には、以下の要因があります。
- エネルギー転換や電動化による金属需要の増加
- 地政学リスクの高まりによる安全資産・実物資産志向
- 供給制約や鉱山開発の遅れ
特に銀や銅は、投資対象としてだけでなく、産業用途としての需要が強く、価格が上昇しやすい環境にあります。
鉱山企業の採算改善
資源価格が上昇すると、鉱山企業の収益構造は大きく改善します。
採掘コストが一定である一方、販売価格が上がるため、利益率が急速に高まるからです。
このため、資源価格の上昇局面では、鉱山株が資源価格以上の値動きを見せることがあります。
実際に、南アフリカやカナダの鉱山関連銘柄は、資源価格上昇を先取りする形で買われています。
金融環境の変化が株価を後押し
インフレ沈静化と金融緩和期待
もう一つの重要な要因が、金融環境の変化です。
各国でインフレ率が落ち着きつつあり、中央銀行が金融緩和に転じるとの期待が高まっています。
金利低下局面では、以下のような動きが生じやすくなります。
- 株式などリスク資産への資金流入
- 実物資産・コモディティへの投資拡大
- 新興国・資源国への資金回帰
これまで高金利環境では、資源国は通貨安や資本流出に悩まされる場面もありました。しかし金融環境が転換すれば、状況は一変します。
米国株一極集中からの分散
米国株は依然として高水準にありますが、株価の割高感や集中リスクを意識する投資家も増えています。
その結果、資金の一部が米国以外の地域、特に資源国に向かう動きが見られます。
南アフリカやブラジル、カナダといった国々の株価が、米国株を上回る上昇率を示している点は象徴的です。
資源国株の特徴と注意点
高いボラティリティ
資源国株は魅力的な反面、価格変動が大きいという特徴があります。
資源価格の変動、為替の影響、政治リスクなどが株価に直接反映されやすいためです。
短期的には大きな利益を得られる可能性がある一方、調整局面では急落することもあります。
配当と景気循環
鉱山企業の配当は、業績に左右されやすい傾向があります。
資源価格が高い局面では高配当となる一方、価格下落時には減配や無配となるケースもあります。
そのため、長期投資では景気循環を意識したスタンスが求められます。
結論
南アフリカやカナダの株価が最高値圏にある背景には、
- 資源価格の上昇
- 鉱山企業の収益改善
- 金融環境の転換
- 投資マネーの分散
といった複数の要因が重なっています。
これは単なる一時的なブームではなく、世界の投資マネーが「成長株中心」から「実物資産・資源」へと視野を広げ始めている兆しとも言えます。
一方で、資源国株は値動きが大きく、投資には慎重な判断が必要です。
リスクとリターンの特性を理解したうえで、分散投資の一部として位置づけることが重要だと考えます。
参考
日本経済新聞
「南アやカナダ、鉱山株上昇 資源国の株価が最高値圏」
2026年1月8日 朝刊
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
