消費税申告 × e-Tax 実務① 所得税の確定申告と何が違うのか 消費税申告の全体像を整理する

税理士
水色 シンプル イラスト ビジネス 解説 はてなブログアイキャッチのコピー - 1

消費税の申告は、所得税の確定申告と同じ「申告」という言葉が使われていますが、実務の中身は大きく異なります。
特に e-Tax を使って申告する場合、その違いを理解していないと、作業が途中で止まったり、申告内容に不安を残したまま送信してしまうことがあります。

副業や個人事業主の方が初めて消費税申告を行う場合、
「所得税の延長で考えてよいのか」
「e-Taxで何を入力すればよいのか」
といった疑問を持つのは自然なことです。

第1回では、消費税申告と所得税申告の違いを整理し、e-Tax実務の全体像を把握することを目的とします。


消費税は「利益」にかかる税金ではない

所得税は、売上から経費を差し引いた「利益」に課税されます。
一方、消費税は利益ではなく、「取引」に着目して計算される税金です。

この違いは、消費税申告を理解するうえで最も重要なポイントです。
売上が出た時点で消費税が発生し、仕入や経費の支払いに含まれる消費税を差し引く、という構造になっています。

そのため、赤字であっても消費税の納税が発生する場合があります。
所得税と同じ感覚で考えると、ここで大きな違和感を持つことになります。


消費税申告は「別の申告」である

消費税の申告は、所得税の確定申告とは別の申告です。
申告書の様式も異なり、e-Tax上でも別の作業として扱われます。

所得税の申告が終わったからといって、消費税申告が自動的に完了するわけではありません。
この点を理解していないと、「申告したつもりだった」という事態になりかねません。

e-Taxでは、所得税と消費税を連続して作成できる画面構成になっていますが、
それは「手続きが一体化している」という意味ではありません。


e-Taxは消費税申告に向いているが注意点もある

消費税申告は計算が複雑になりやすく、紙での申告では転記ミスや計算ミスが起こりがちです。
その点で、e-Taxは自動計算やチェック機能があり、非常に相性のよい仕組みといえます。

一方で、e-Taxは「前提条件」が入力前に決まっている税目でもあります。
課税事業者か免税事業者か、原則課税か簡易課税かといった判断は、e-Taxが代行してくれるものではありません。

入力画面に進む前に、すでに結論が決まっている事項が多い点が、所得税申告との大きな違いです。


消費税申告で最初に意識すべきこと

消費税のe-Tax実務で、最初に意識すべき点は次のとおりです。

・自分は消費税の申告対象者か
・どの計算方法を使う立場か
・申告と納税は別である

これらを整理しないまま作成コーナーに進むと、
「入力はできたが正しいのか分からない」という状態になりやすくなります。


所得税との「作業の違い」

所得税の申告では、入力を進めながら考えることができます。
一方、消費税の申告では、考えるべきことの多くが入力前にあります。

e-Taxはあくまで計算と提出のための道具です。
消費税申告では、「入力前の整理」が実務の半分を占めるといっても過言ではありません。


結論

消費税申告は、所得税の確定申告とは別物です。
e-Taxは強力なツールですが、消費税特有の考え方を理解していなければ、その力を十分に活かすことはできません。

第1回では、消費税申告 × e-Tax 実務の全体像を整理しました。
次回は、課税・免税・簡易課税の判断実務をテーマに、入力前に決まっている重要事項を解説します。


参考

・国税庁「確定申告特集」
・国税庁「消費税の申告と納付」
・国税庁「インボイス制度の概要」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました