副業・個人事業主のための e-Tax実務⑤ 納税・予定納税・住民税 申告後に「効いてくる」実務ポイント

税理士
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副業や個人事業主の確定申告では、「申告書を送信したら終わり」と感じてしまいがちです。
しかし、実務上本当に重要なのは、その後に続く納税や住民税の扱いです。

e-Taxは申告を効率化してくれますが、納税まで自動的に完了するわけではありません。
また、申告内容は翌年以降の予定納税や住民税にも影響します。

第5回では、確定申告後に発生する納税・予定納税・住民税の実務を整理し、副業・個人事業主が押さえておくべきポイントを解説します。


確定申告と納税は別の手続き

まず意識しておきたいのは、確定申告と納税は別の手続きであるという点です。
e-Taxで申告書を送信しても、税金が自動的に引き落とされるわけではありません。

申告の結果、納税が必要な場合は、自分で納付方法を選び、期限までに納税する必要があります。
この認識が曖昧なままだと、「申告は終わったのに延滞税が発生していた」という事態になりかねません。


納税方法の基本的な選択肢

所得税の納税方法には、いくつかの選択肢があります。

代表的なものとして、金融機関やコンビニエンスストアでの納付、口座振替、キャッシュレス納付などがあります。
e-Taxを利用している場合、電子納税を選択すれば、オンライン上で納税手続きを完結させることも可能です。

重要なのは、「どの方法が使えるか」よりも、「自分が管理しやすい方法を選ぶ」ことです。
副業や事業が継続する場合、毎年の納税を見据えた選択が求められます。


納税期限を軽視しない

所得税の納税期限は、原則として確定申告期限と同じ日です。
この期限を過ぎると、延滞税などが発生する可能性があります。

e-Taxで早めに申告を終えた場合でも、納税を後回しにしてしまうと意味がありません。
申告と納税をセットで管理する意識が重要です。

特に副業や個人事業主の場合、会社員時代のように「天引きされて終わり」ではない点を強く意識する必要があります。


予定納税という仕組み

副業や個人事業主が一定以上の所得を得ると、「予定納税」という仕組みが関係してきます。
これは、翌年分の税金を前払いする制度です。

予定納税は、前年の所得税額を基に計算されます。
そのため、e-Taxで申告した内容が、そのまま翌年の予定納税額に影響します。

副業を始めたばかりの年は関係しない場合でも、事業が軌道に乗ると突然通知が届くことがあります。
「知らなかった」では済まされないため、仕組みだけは理解しておくことが重要です。


予定納税で注意したい点

予定納税は、あくまで「見込み」に基づく前払いです。
そのため、翌年の所得が減少した場合、負担が重く感じられることがあります。

このような場合、一定の要件を満たせば、予定納税額の減額申請を行うことが可能です。
e-Taxを利用すれば、こうした手続きもオンラインで行えます。

予定納税を「必ずそのまま払うもの」と思い込まず、状況に応じて見直せる制度であることを知っておくことが大切です。


住民税への影響を見落とさない

確定申告の内容は、所得税だけでなく住民税にも影響します。
副業や事業の所得は、翌年度の住民税に反映されます。

特に会社員の副業の場合、住民税の増加によって副業が会社に知られるのではないか、と不安になる方もいます。
この点は、住民税の徴収方法と密接に関係します。

e-Taxでの申告時に選択する項目によって、住民税の扱いが変わることがあります。
申告時点で住民税まで意識しておくことが、後のトラブル防止につながります。


納税と資金繰りの関係

副業・個人事業主の実務では、納税は資金繰りと切り離せません。
申告時点で税額が分かっていても、納税資金を確保していなければ、負担は大きくなります。

e-Taxは税額を可視化してくれますが、資金を用意してくれるわけではありません。
申告結果を見た時点で、「いつ、いくら支払うのか」を具体的に考えることが重要です。


結論

副業・個人事業主のe-Tax実務では、申告後の納税・予定納税・住民税まで含めて考える必要があります。
e-Taxは申告を効率化する道具ですが、税金の負担そのものを軽くしてくれるわけではありません。

第5回では、申告後に「効いてくる」実務ポイントを整理しました。
これで、副業・個人事業主向け e-Tax実務シリーズは一通り完結となります。

次は、これらを横断的に整理した
保存版:副業・個人事業主 e-Tax実務チェックリスト
としてまとめることで、実務での使いやすさをさらに高めることができます。


参考

・国税庁「確定申告特集」
・国税庁「納税の方法」
・国税庁「予定納税のしくみ」
・国税庁「個人住民税について」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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