確定申告と聞くと、税務署に行って長時間並ぶ、書類を手書きする、といったイメージを持つ方も少なくありません。
しかし現在、確定申告の主流は大きく変わりつつあります。その中心にあるのが「e-Tax(イータックス)」です。
e-Taxは、インターネットを利用して確定申告を行う仕組みで、国税庁が公式に提供しています。会社員の医療費控除やふるさと納税の申告から、個人事業主や副業の申告まで、幅広く利用されています。
このシリーズでは、e-Taxを初めて利用する方や、これまで何となく敬遠してきた方に向けて、仕組み・準備・使い方・注意点を段階的に整理していきます。
第1回となる今回は、まず「e-Taxとは何か」「何ができるのか」「なぜ利用が勧められているのか」を全体像として確認します。
e-Taxとはどのような仕組みか
e-Taxとは、正式には「国税電子申告・納税システム」と呼ばれる制度です。
所得税や消費税などの確定申告書を、紙ではなくデータとして作成し、そのまま税務署へ送信することができます。
従来の申告では、
・申告書を紙で作成する
・税務署へ持参する、または郵送する
という手続きが必要でした。
e-Taxでは、これらの手続きを自宅や職場から完結させることが可能です。
申告書の作成、提出、場合によっては納税までを一連の流れとして行える点が特徴です。
なお、e-Taxは単独のシステムではなく、国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」と連動して使われることが一般的です。
画面の案内に従って入力を進めることで、自然な流れで電子申告へつながる設計になっています。
e-Taxでできること
e-Taxを利用すると、次のような手続きが可能になります。
・所得税や消費税の確定申告
・医療費控除や寄附金控除の申告
・青色申告決算書や収支内訳書の提出
・還付申告
・一部の届出書や申請書の提出
特に確定申告については、申告書の作成から提出までを一貫して行えるため、作業の流れが分かりやすくなっています。
また、入力内容に基づいて税額が自動計算されるため、計算誤りのリスクを減らせる点も大きな特徴です。
なぜe-Taxの利用が勧められているのか
国税庁がe-Taxの利用を積極的に案内している背景には、利用者側のメリットがあります。
まず、自宅から手続きができる点です。
税務署の受付時間や混雑を気にする必要がなく、時間的な制約が大きく減ります。
次に、記載ミスや計算ミスを防ぎやすい点です。
入力内容に応じて自動計算されるため、手書きに比べて誤りが起こりにくくなります。
さらに、還付申告の場合、紙で提出するよりも早く還付金が振り込まれるケースがあります。
これは電子処理によって事務手続きが効率化されているためです。
こうした理由から、初めて確定申告を行う方にとっても、e-Taxは現実的で利用しやすい方法といえます。
e-Taxは難しいものではない
e-Taxという言葉から、パソコン操作に慣れていないと使えない、専門知識が必要、と感じる方もいます。
しかし実際には、国税庁の作成画面は質問形式で進み、入力内容も日常的な表現で示されています。
近年はスマートフォンからの申告にも対応しており、パソコンを持っていない方でも利用できる環境が整ってきました。
大切なのは、いきなり細かい操作を覚えようとしないことです。
まず全体の流れを理解し、必要な準備を整えたうえで、一つずつ進めていけば問題ありません。
結論
e-Taxは、確定申告を特別な作業から日常的な手続きへと変える仕組みです。
紙での申告に比べて手間が少なく、時間や場所の制約も小さくなっています。
第1回では、e-Taxの全体像と基本的な考え方を整理しました。
次回は、e-Taxを利用するために事前に準備しておくべきものや、認証方法の違いについて詳しく解説します。
参考
・国税庁「確定申告特集」
・国税庁「確定申告書等作成コーナーのご案内」
・国税庁「e-Taxの概要」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

