フラット35が2%を超えた意味をどう読むか――住宅ローン金利上昇局面で考える家計と制度の分岐点

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2026年1月、長期固定金利型住宅ローンであるフラット35の最低金利が2.08%となり、制度開始以降、初めて2%の大台を超えました。
金利水準だけを見れば「まだ2%台」と感じる方もいるかもしれませんが、住宅ローン市場全体で見れば、これは明確な転換点といえます。
本稿では、今回のフラット35金利上昇が何を意味するのか、日銀の金融政策との関係、変動金利との比較、そして今後の住宅取得判断にどのような影響を与えるのかを整理します。

フラット35が初めて2%を超えた背景

フラット35の金利は、住宅金融支援機構が民間金融機関と連携して提供する長期固定型ローンであり、主に長期金利の動向を反映します。
2025年末の日銀による政策金利引き上げ以降、国内の長期金利は上昇基調にあり、新発10年物国債利回りも2%を超える水準まで上昇しました。
この流れを受け、2026年1月のフラット35最低金利は2.08%となり、制度改正後では初の2%超えとなりました。

「固定は高い」という前提が崩れ始めている

これまでの低金利環境では、変動金利が圧倒的に有利とされ、固定金利は「安心だが高い」という位置づけでした。
しかし、今回の局面では状況が変わりつつあります。
政策金利の引き上げは、変動型住宅ローンに比較的早く反映される一方、固定型は将来の金利上昇を織り込んだ水準で先に安定します。
その結果、金利差が急速に縮小し、場合によっては将来の変動金利上昇を考慮すると、固定型の総支払額が相対的に見劣りしないケースも出てきます。

固定金利人気が再燃している理由

住宅金融支援機構によると、2025年夏以降、フラット35の申請戸数は大きく増加しています。
これは単なる金利水準の問題ではなく、家計の不確実性が高まっていることの表れでもあります。
賃金上昇は進んでいるものの、物価上昇や社会保険料負担の増加、将来の税制・社会保障改革への不透明感が重なり、家計は長期の支出を読みづらくなっています。
こうした中で、返済額が確定する固定金利を選好する動きが強まっていると考えられます。

金利上昇局面で見落としがちな視点

住宅ローン金利が上昇すると、どうしても「借りるタイミング」を巡る議論が中心になりがちです。
しかし、重要なのは金利の水準そのものよりも、家計にとっての耐久性です。
仮に金利が1%台であっても、返済比率が高すぎれば家計は脆弱になります。一方で、金利が2%を超えていても、余裕を持った返済設計であればリスクは抑えられます。
固定か変動かという選択も、単なる金利比較ではなく、収入の安定性、将来の働き方、老後資金計画と一体で考える必要があります。

今後の見通しと注意点

日銀は継続的な利上げを示唆しており、長期金利がすぐに低下に転じる可能性は高くありません。
このため、住宅ローン金利は当面、高止まり、もしくは緩やかな上昇局面が続くと見込まれます。
今後は「低金利だから買う」のではなく、「金利がある前提でどう備えるか」が問われる時代に入ったといえます。

結論

フラット35が2%を超えたという事実は、単なる数字以上の意味を持っています。
それは、長く続いた超低金利時代が終わり、住宅取得や家計設計の前提条件が変わったことを示すサインです。
固定金利と変動金利の優劣を単純に論じるのではなく、自身のライフプラン全体を見据えた判断が、これまで以上に重要になっています。
金利上昇局面だからこそ、住宅ローンは「商品選び」ではなく「家計戦略」として考える必要があります。

参考

・日本経済新聞「フラット35、最低金利2.08% 今月、初の2%超え 日銀利上げ余波」
・住宅金融支援機構 公表資料
・日本銀行 金融政策決定会合関連資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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