確定申告Q&Aで学ぶ「誤りの多い事例」⑤ 配偶者控除・基礎控除など「人的控除」の誤り

税理士
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確定申告で誤りが多い分野の一つに、配偶者控除や基礎控除といった人的控除があります。人的控除は、申告書に自動的に反映されているように見える項目も多く、「特に確認しなくても大丈夫だろう」と考えてしまいがちです。

しかし、国税庁が示す「誤りの多い事例」では、人的控除の適用誤りや勘違いが繰り返し挙げられています。第5回では、なぜ人的控除で誤りが起きやすいのかを、初心者向けに整理します。


人的控除は「条件付き」であることが見落とされやすい

人的控除の特徴は、「家族がいるから自動的に受けられる控除」ではないという点です。配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除などは、本人や家族の所得状況に応じて適用の可否や金額が変わります

この「条件付き」という性質が、誤りを生む大きな原因になります。「去年は使えたから今年も同じだろう」と思い込んでしまい、条件の変化を確認しないまま申告してしまうケースが多く見られます。


配偶者控除でよくある思い込み

配偶者控除について、初心者の方が陥りやすい思い込みとして、次のようなものがあります。

  • 配偶者に収入があっても問題ない
  • 年末調整で処理されていれば確定申告では確認不要
  • 配偶者控除と配偶者特別控除の違いを意識していない

特に、「収入」と「所得」の違いを理解していない場合、配偶者の収入状況を正しく把握できず、控除を誤って適用してしまうことがあります。


配偶者特別控除の計算が複雑に感じられる理由

配偶者特別控除は、配偶者控除が使えない場合でも一定の範囲で適用できる制度ですが、段階的に控除額が変わるという特徴があります。

この仕組みが分かりにくく、「計算が面倒そう」「よく分からないから去年と同じにしておこう」と判断してしまうことがあります。その結果、本来受けられる控除額と異なる金額で申告してしまうケースが生じます。


基礎控除は「誰でも同じ」ではない

基礎控除は、すべての人が受けられる控除という印象が強いかもしれません。しかし、基礎控除の金額は、本人の所得金額に応じて変わる仕組みになっています。

初心者の方の中には、「基礎控除は自動で最大額が入るもの」と思い込んでいる人もいます。所得が一定額を超える場合には控除額が減少するため、確認を怠ると誤った申告につながります。


扶養関係の認識違いによる誤り

人的控除では、「誰を扶養しているか」という判断も重要です。扶養控除の対象になるかどうかは、単に家族であるかどうかではなく、所得や生計の状況によって決まります。

例えば、家族が別に収入を得ている場合でも、「家族だから扶養に入れてよい」と判断してしまうと、誤りになることがあります。扶養関係は、毎年の状況を確認する必要があります。


年末調整との関係で起きる混乱

会社員の場合、人的控除は年末調整で処理されていることが多く、「確定申告では見直さなくてよい」と思われがちです。

しかし、年末調整後に家族の収入状況が変わった場合や、年末調整で申告した内容が誤っていた場合には、確定申告で修正が必要になります。この点を理解していないと、誤った内容のまま申告が確定してしまいます。


誤りを防ぐための確認ポイント

人的控除の誤りを防ぐためには、次のような確認が有効です。

  • 配偶者や家族の「所得」を毎年確認する
  • 去年と同じかどうかを必ず見直す
  • 控除の種類を正しく区別する

「家族構成が変わっていないから大丈夫」と思わず、所得状況が変わっていないかに目を向けることが重要です。


結論

人的控除の誤りは、制度の複雑さよりも、「確認しなくても大丈夫だろう」という思い込みから生じることが多いといえます。配偶者や家族の状況は、毎年少しずつ変わる可能性があります。

次回は、地震保険料控除や生命保険料控除など、保険料控除の誤りをテーマに整理していきます。


参考

・国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項(Q&A)
 Q17 所得税等の確定申告の際に、誤りの多い事例について」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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