確定申告は、制度を理解し、必要書類をそろえて進めれば、決して特殊な手続きではありません。しかし初めての場合、思い込みや勘違いによって、思わぬミスをしてしまうことがあります。
多くのミスは、「知らなかった」「確認しなかった」ことが原因です。逆に言えば、よくある失敗パターンを事前に知っておくだけで、確定申告はぐっと安心して進められます。
本記事では、初めて確定申告をする方が特につまずきやすいポイントと、その対処法を整理します。
収入の申告漏れ
最も多いミスの一つが、収入の申告漏れです。
副業収入や一時的な報酬、年の途中で受け取った原稿料や講演料などを、「少額だから」「単発だから」と申告対象から外してしまうケースが見られます。
確定申告では、原則としてその年に得たすべての収入を合算して申告します。金額の大小で判断せず、「収入に当たるものはすべて洗い出す」ことが重要です。
対処法としては、通帳の入金履歴や取引履歴を1年分確認し、収入の見落としがないかをチェックすることが有効です。
控除の適用漏れ
収入の申告漏れとは逆に、本来使える控除を使い忘れてしまうケースも少なくありません。
医療費控除やふるさと納税、保険料控除などは、年末調整や確定申告をしなければ反映されません。「申告しなくても自動的に計算される」と誤解している方も多い点です。
対処法は、前年1年間の支出を振り返り、控除の対象になりそうなものを一覧で確認することです。思い当たるものがあれば、証明書類が手元にあるかもあわせて確認します。
申告内容と書類の不一致
申告書に記載した金額と、添付書類や証明書の内容が一致していないケースもよく見られます。
例えば、源泉徴収票の金額を見間違えて入力したり、寄附金受領証明書の金額を合算せずに記載してしまったりすることがあります。
このようなミスは、申告後の問い合わせや修正につながりやすくなります。
対処法としては、「必ず書類を見ながら入力する」「入力後に書類と突き合わせて確認する」という基本動作を徹底することが大切です。
期限直前での作業によるミス
申告期限が近づいてから作業を始めると、どうしても確認が不十分になりがちです。
焦って入力した結果、数字の打ち間違いや、提出方法の選択ミスが起きることがあります。また、電子申告の場合、操作環境の不備に気付くのが遅れ、期限に間に合わなくなるケースもあります。
対処法はシンプルで、余裕を持って準備と申告を行うことです。申告期限の直前ではなく、「終わらせる目安日」を自分で設定しておくと安心です。
申告後にミスに気付いた場合
確定申告は、一度提出したら取り消せない手続きだと思われがちですが、実際には修正することが可能です。
申告内容に誤りがあった場合は、修正申告や更正の請求といった手続きを行うことで、正しい内容に訂正できます。
「間違えたらどうしよう」と不安になり過ぎて申告をためらうよりも、「間違いは後から直せる」と理解しておくことが、心理的な負担を軽くしてくれます。
初めての確定申告で意識したい心構え
初めての確定申告では、完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、分からない点を放置しないこと、根拠のある数字を使うこと、期限を守ることです。これらを意識するだけで、確定申告は十分にクリアできます。
一度経験すれば、次の年からは流れが見え、準備もスムーズになります。最初の一歩を踏み出すことが、何より重要です。
結論
確定申告で起こりやすいミスには、共通したパターンがあります。
収入の申告漏れ、控除の適用漏れ、書類との不一致、期限直前の作業――これらを意識して避けるだけで、申告の失敗は大きく減らせます。
本シリーズで紹介してきた内容を押さえておけば、初めての確定申告でも落ち着いて対応できるはずです。確定申告は、知れば知るほど「身近な手続き」になります。
自分の一年を振り返り、税金を正しく整理する機会として、前向きに取り組んでいきましょう。
参考
・国税庁「確定申告書の記載誤りと修正」
・国税庁「申告漏れに関する注意事項」
・国税庁「期限後申告・修正申告の取扱い」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
