大学ではオンデマンド授業が広がり、学生が時間と場所を選ばず学べるようになりました。同時に、大学側は「学習効果の検証」という課題にも直面しています。
これは社会人のオンデマンド学習でも重要なポイントです。“聞いただけで終わる学習” では成果が出ません。本稿では、オンライン学習を実務につなげるインプット術を解説します。
1 聞くだけ学習の限界
動画教材は便利ですが、視聴するだけでは理解は浅くなりがちです。大学でも「学生が本当に理解しているか」という懸念が示されています。
社会人の学び直しでも、ただ見続けても成果は上がりません。
2 インプットは3段階で設計する
オンデマンド学習を最大化するには、次の3段階で学ぶのが効果的です。
- 視聴 → 全体像をつかむ
- メモ → 気づきを言語化する
- 実践 → 1つだけ現場に活かす
完璧を求めず「一つだけ実務に反映する」。これが継続のカギです。
3 “繰り返し視聴” に学習の価値がある
大学の取り組みでも、オンデマンド授業は“繰り返し学べる点”が重視されています。
社会人にとっては次のような使い方が効果的です。
- 1回目:速い速度で大枠をつかむ
- 2回目:通常速度で細部を理解
- 3回目:倍速で復習
知識は繰り返すことで定着します。
4 ノートではなく「3行メモ」で十分
長いノートは続きません。
学習ごとに次の3つだけ書き出す方法がおすすめです。
- 今日の学び
- 明日の行動
- 不明点1つ
数行のメモでも学習効果は大きく変わります。
5 学んだことは“誰かに話す”ことで固定される
教育学の研究でも「人に説明すること」が最大の学習効果を生むといわれます。
SNS、同僚、家族、コミュニティなど、どこに向けてでもかまいません。
インプットはアウトプットして初めて血肉になります。
結論
オンデマンド学習は便利ですが、その分“学び方の設計”が欠かせません。
視聴→メモ→実践→説明という流れを習慣にすることで、オンライン学習は最も強力な学び直しツールになります。
出典
・日本経済新聞「東洋大、自己研さんに重点 オンデマンドで対面授業短く」
・日本経済新聞「改革の効果最大化へ、『学び』の意識醸成を」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
