学び直しを始めたいと思っても、多くの社会人が「時間がない」という壁に当たります。大学で学期短縮やオンデマンド授業の活用が進んでいるのは、“時間の創出”が学びの質を左右するからです。
社会人の学び直しでも同じ課題があり、時間設計が成否を決めると言っても過言ではありません。
本稿では、忙しい社会人でも学びを続けられる「学習時間のつくり方」を紹介します。
1 「時間がない」は本当か
実際のところ、社会人の時間が足りないのは事実です。しかし、「余った時間で学ぶ」という発想では一生始まりません。大学でも、対面授業を減らして意図的に時間を生み出しました。
社会人も同じで、学習時間は “つくるもの” という前提が必要です。
2 まずは生活の棚卸しから
学習時間を確保するためには、現在の生活を可視化することが第一歩です。
よくある隠れた時間は次の通りです。
- 通勤時間
- 昼休憩の前後10分
- 家事の合間
- 仕事の開始前の15分
- スマホをなんとなく触っている時間
10〜20分のすき間時間も、積み上げれば週に数時間になります。
3 “固定の学び時間” をスケジュールに入れる
大学が学期の枠を変更したように、社会人も 「時間の枠を決める」 ことで学習が習慣化します。
おすすめは次の3つです。
- 毎朝 20〜30分
- 週末の午前の1〜2時間
- 通勤時間を特定の教材に固定
「いつやるか」を決めてしまうことで、学習は負担ではなく、生活のリズムの一部になります。
4 オンデマンド学習の“落とし穴”
オンデマンド教材は便利ですが、視聴しただけで理解した気になる「疑似学習」になりがちです。
大学でも、オンデマンド授業の導入に伴い学習効果の検証が課題になっています。
社会人も、学習効果を高めるには次の工夫が不可欠です。
- 視聴後に3行メモを書く
- 同僚やSNSでアウトプットする
- 実務に1つだけ反映してみる
“見たら終わり”の学びは定着しません。
5 家族の理解・同僚の協力も学び続ける鍵
大学では学習コミュニティの活性化が改革の一部です。
社会人も同じで、家族や同僚に「学び直し宣言」をするだけで継続率が上がります。
・学びの時間を家族と共有
・職場の学習コミュニティに参加
・目的を周囲に話して自分を縛る
環境づくりは意外と大きな力になります。
結論
大学での授業改革が示しているように、「時間の創出」は学びの質を左右する核心部分です。
忙しい社会人こそ、まずは“学習の枠組みづくり”から始めることが大切です。
小さな時間の積み重ねが、長期的なキャリアの大きな差につながります。
出典
・日本経済新聞「東洋大、自己研さんに重点 オンデマンドで対面授業短く」
・日本経済新聞「改革の効果最大化へ、『学び』の意識醸成を」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
