前回の記事で…
「特定空き家」に認定されると住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍になることも…
と書かせていただきました。
今回は、そのあたりをもう少し詳しく書かせていただきます。
繰り返しになりますが…
いま全国で社会問題となっている「空き家問題」。
総務省の調査では、日本の住宅のうちおよそ7戸に1戸が空き家とされ、年々その数は増えています。
空き家を放置すると景観の悪化や倒壊の危険があり、近隣住民に迷惑をかけることも…。
そこで導入されたのが「空き家税」、つまり特定空き家に対する税負担の強化です。
1. 空き家とは?
一般的に住宅用地は「固定資産税が最大 1/6に軽減される特例」があります。
しかし、管理が不十分で「特定空き家」に認定されると、この優遇が外されます。
その結果…
固定資産税が最大で6倍に跳ね上がる!
という大きな負担になるのです。
2.特定空き家とは?
すべての空き家が対象になるわけではありません。
法律で「特定空き家」とされるのは、次のような状態の家です。
・倒壊など著しく保安上危険なもの
・著しく衛生上有害なもの(ごみの放置、害虫の発生など)
・景観を著しく損なっているもの
・管理が不十分で、近隣住民の生活環境保全を妨げるもの
行政から改善の指導・勧告を受け、それでも対応しない場合に「特定空き家」として認定されます。
3.なぜ課税が強化されるのか?
背景には深刻な地域課題があります。
①防災リスク
老朽化した空き家は地震や台風で倒壊の恐れ。
②防犯・衛生問題
不法投棄や放火、害虫の発生などの温床に。
③地域の価値低下
空き家が増えると町全体の景観や地価に影響。
④自治体の財政負担
放置空き家の解体や雑草処理に公費が投入されてしまう。
これらを防ぐため、「放置すると重い税負担になる」という仕組みで所有者に行動を促しているのです。
4. 空き家を持っている人ができる対策
もし自分や家族が空き家を所有しているなら、早めの対策が重要です。
・定期的に管理する
草刈り・掃除・簡単な修繕など
・賃貸や売却を検討する
空き家バンクや仲介会社を活用
・解体して更地にする
ただし、更地は住宅用地特例が使えないので税負担に注意
・相続対策を進める
相続放置で「誰のものかわからない空き家」になるのが最悪のケース
空き家を放置して「特定空き家」に認定されると、固定資産税が最大6倍に増える大きなリスクがあります。
一方で、早めに管理・活用・処分を考えれば、資産価値を守り、地域の安全や景観にも貢献できます。
これから相続や実家の処分を控えている方は、「空き家税」という新しいルールをしっかり理解して、早めに準備しておくことが安心につながります。
ということで、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いいたします。
