定年延長や人生100年時代の流れを受け、
「できるだけ長く働きたい」「収入源を維持したい」と考える50代・60代が増えています。
実際に、70歳までの就業確保は企業の努力義務となり、
働く期間はますます伸びています。
しかし、いざ「定年後も働く」と考えたとき、
- どんな仕事があるのか
- どこで探せばよいのか
- どうすれば自分に合う働き方が見つかるのか
がわからないという声が多いのも事実です。
本記事では、50代・60代が70歳まで無理なく働き続けるための
“現実的な仕事の見つけ方”を整理します。
■ 50代からは「働き方の選択肢」が変わる
50代〜定年前後では、仕事の探し方は20代・30代とは異なります。
ここからは、次の点を押さえることが大切です。
- 「役職ありき」ではなく「役割ありき」で働く
- 年収は“階段”ではなく“波形”になる
- 組織の中のポストにこだわらない
- 社外のつながりが仕事を運んでくる
そして最も重要なのは、
“雇われる”以外の働き方も選択肢に入れることです。
■ 70歳まで働くための選択肢は大きく5つ
■ 1. 企業での再雇用・継続雇用
もっとも現実的で安定したルートです。
- 就労時間の調整がしやすい
- 環境になじんでいる
- 新しい人間関係を構築しなくてよい
- 社会保険の継続がしやすい
ただし、賃金が下がるケースも多いため、
「生活防衛」と「やりがい」の両面で納得感を整理すること」が重要です。
■ 2. 他社への転職(シニア採用)
近年はシニア採用の求人も増えています。
特に、
- 事務・事業管理
- 人事・労務・総務
- 営業サポート
- 中小企業の管理部門
- 店舗運営・接客
- 公共サービス・自治体関連の仕事
などは、中高年との相性が良い領域です。
“やりたいこと”よりも“できること”で探すと成功率が上がります。
■ 3. 業務委託(プロ契約)
近年増えているのが、会社に所属せず、
スポットで専門性を提供する働き方です。
- 研修講師
- 人事制度のアドバイザー
- 業務改善コンサルティング
- 書類作成・事務サポート
- プロジェクト単位での支援
特に人事・総務・経理などの管理部門経験者は需要が高く、
週1〜2回の働き方でも成立しやすいメリットがあります。
■ 4. 副業/パラレルキャリアの延長
第4回で紹介したパラレルキャリアを
“ゆるやかに収入化”していく方法です。
- コーチング
- ライティング
- セミナー講師
- 地方企業支援
- データ整理・事務代行
- ブログ・SNS発信
- オンライン講座販売
副業の延長は、70歳を過ぎても続けやすい働き方です。
■ 5. 個人事業主として独立
50代・60代の独立は決して珍しくありません。
- 長年の専門知識
- 人脈
- 実務経験
- 困りごとを理解する力
が揃っているため、
むしろ若い世代より成功しやすいケースもあります。
ゼロから構えるのではなく、
「小さく始める」→「徐々に育てる」がポイントです。
■ “70歳まで働き続ける人”に共通する特徴
定年後も安定して働いている人には、いくつかの共通点があります。
■ 1. 仕事を「役割」として捉えている
役職や肩書きから離れ、
「自分は何で価値を提供できるか」を軸にしています。
■ 2. 社外のつながりを持っている
コミュニティ、セミナー、副業先、勉強会…。
社外の人間関係が新しい仕事を運んでくれます。
■ 3. 小さく始めて、長く続ける
大きく挑戦するよりも、
無理のない働き方を積み重ねるほうが続きます。
■ 4. 健康管理を最優先にする
70代まで働く前提では、
「健康=最大のキャリア資産」です。
■ 5. 学び続ける習慣がある
学びの更新があることで、
時代の変化に対応でき、働く自信につながります。
■ 仕事を見つけるための具体的な行動(50代・60代向け)
● ① 友人・元同僚・社外の知人に声をかける
50代以降の仕事の多くは、
“人づて”で見つかります。
● ② 小さな成功体験を積む
- 短期のインターン
- プロボノ
- セミナー参加
- SNSで学びを発信
これらは仕事探しの実績になります。
● ③ 労働時間を「週20〜30時間モデル」で考える
70歳まで働くなら、
フルタイムだけにこだわらず、
“体力に合う働き方”を選ぶことが大切です。
● ④ 役職にこだわらない
50代以降の仕事探しは、
“快適に働ける環境”を優先するほうが成功しやすいです。
● ⑤ 副業の延長で“緩やかな独立”を視野に入れる
いきなり辞めなくても、
今の仕事を続けながら少しずつ準備できます。
結論
定年後も働きたい人にとって、
「70歳までの仕事探し」は決して難しくありません。
大切なのは、
- 1つの会社に依存しない
- 経験を役割に変える
- 小さく始めて続ける
- 社外に居場所をつくる
という4つの視点です。
50代・60代は、キャリアの終わりではなく、
働き方を再設計できる“第二のスタートライン”です。
次回は、第6回「定年後の収入戦略── 年金+αの働き方を組み合わせる方法」をお届けします。
出典
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法」関連資料
- 内閣府「就業機会拡大法」資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
