🌏 はじめに ― 「お金を学ぶこと」は、生き方を考えること
いま、日本の金融教育が大きく動き出しています。
2022年4月から学校で金融教育が必修化され、
子どもたちは「お金の仕組み」を授業で学ぶようになりました。
しかし一方で、社会人やシニア世代の多くは、
これまで体系的な金融教育を受けた経験がありません。
日本経済新聞のアンケートでは、43%が「金融教育を受けたことがない」と回答。
“金融リテラシー格差”が現実として広がりつつあります。
このnoteシリーズでは、
税理士・FPの立場から、金融教育を「人生の実践知」として再構築。
家計、投資、制度、AI、そして家族・地域のつながりまで――
お金を“学び続ける力”として捉え直しました。
📘 シリーズ構成(全8回)
🏫 第1回 金融教育を受けたことがない43%が示す日本の課題
2022年以降の金融教育義務化にもかかわらず、社会人の43%は未経験。
家計・投資・税金を「自分の生活と結びつけて考える」第一歩を解説。
→ 金融教育の必要性と現状をデータで読み解く導入編。
💼 第2回 社会人からの金融リテラシー再教育
「今さら遅い」と感じる人こそチャンス。
家計管理、NISA・iDeCo、税金・保険の基礎など、
社会人の“学び直し”としての金融教育を体系的に整理。
🏠 第3回 家計から学ぶ“資産防衛” ― インフレ時代に備えるリテラシー
物価上昇と円安で問われる「守る力」。
固定費削減・分散投資・保険の見直しなど、
日々の暮らしからできる“防衛型リテラシー”を紹介。
🤖 第4回 金融教育の新潮流 ― AI×NISA×リスキリング時代の学び方
AI時代の金融教育とは?
ChatGPTなどの生成AIを“先生”として使いながら、
自ら判断できる力(情報選別力・質問力・判断力)を養う方法を提案。
👨👩👧 第5回 世代別・金融教育の実践法 ― 20代・40代・60代のリアルな課題
20代=貯め方、40代=守り方、60代=受け取り方。
各世代が直面するお金の課題を整理し、
年代別の“今すぐ実践できる学び方”を提示。
🏡 第6回 家庭でできる金融教育 ― 子どもと一緒に“お金の会話”を始めよう
おこづかい、家計のオープン化、模擬投資体験――。
家庭は、最も身近で効果的な“お金の教室”。
「親子で話せる金融教育」を実践するためのステップを紹介。
🏛️ 第7回 企業と地域が担う金融教育 ― 職場・自治体・地域で“学び直す”仕組み
金融教育は“社会インフラ”へ。
職場でのライフプラン研修、自治体の市民講座、
地域コミュニティでの出張セミナーなど、
社会全体で支える「共助型金融教育」のかたちを描く。
🌱 第8回 人生100年時代の金融教育 ― 学び続ける力が“安心”をつくる
金融教育の本質は、“正解を覚えること”ではなく“学び続ける姿勢”。
変わる制度、AI社会、長寿化に対応する「生涯型リテラシー」へ。
人生100年時代を生き抜く「知恵としての金融教育」を総括。
🧭 このシリーズで伝えたいこと
- お金を「増やす」より、「自分で選ぶ力」を育てよう
- 家計・投資・税金・保険は“点”ではなく“線”で考えよう
- AI・FP・税理士など、学びのパートナーを上手に使おう
- 家庭・職場・地域で“お金の会話”を日常にしよう
- そして、学び続けること自体が“最大の資産”になる
✍️ 著者より ― 金融教育を“特別な話”にしないために
私は税理士・FPとして、日々多くの方の家計や相続、企業経営を支援しています。
その中で痛感するのは、「金融教育があれば避けられた不安や損失がいかに多いか」という現実です。
金融教育は、難しい理論でも投資テクニックでもありません。
それは、「暮らしを支える知恵」であり、「自分の人生を設計する言語」です。
このシリーズが、読者の皆さんにとって
“お金の話を身近に、前向きに考えるきっかけ”となれば幸いです。
📘 参考資料
・日本経済新聞(2025年10月16日朝刊)「資本騒乱 さらば運用貧国 アンケートから(下)」
・金融庁「金融リテラシー・マップ2024」
・文部科学省「学校と家庭での金融教育」
・日本FP協会『ライフステージ別金融教育ガイド』
・経済産業省「社会人リスキリング推進施策」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

