結局、こどもNISAはやるべき家庭・やらなくていい家庭──「制度が良いか」ではなく「自分たちに合うか」で考える

FP
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ここまで、こどもNISAについて
制度の仕組み、相続・贈与、老後資金との線引き、
積立額、教育費インフレ、商品選びまで整理してきました。

すると最後に、必ず行き着く問いがあります。
「結局、うちはやるべきなのか、それともやらなくていいのか」。

こどもNISAは万能の制度ではありません。
向いている家庭もあれば、無理に使わない方がよい家庭もあります。
本記事では、その分かれ目をはっきりさせます。

こどもNISAを「やるべき家庭」

まず、こどもNISAと相性が良い家庭の特徴です。

① 親の老後資金の見通しが立っている家庭
生活防衛資金が確保され、
年金やNISA・iDeCoなどで最低限の老後準備が進んでいる。
そのうえで余裕資金がある家庭は、
こどもNISAを使う土台ができています。

② 教育費を投資だけに頼らない家庭
預貯金や収入からの支出を前提にしつつ、
不足やインフレ分を補う手段として
こどもNISAを位置づけられる家庭です。

③ 長期で積み立てる覚悟がある家庭
相場の上下に一喜一憂せず、
途中で金額を調整しながらでも続ける意思がある。
「毎年満額」にこだわらない柔軟さも含まれます。

④ 家族で目的を共有できている家庭
親、祖父母が関与する場合でも、
「これは子どもの資産である」という認識が共有されている。
家族内で説明と合意が取れている家庭です。

こどもNISAを「やらなくていい家庭」

一方で、無理に使わない方がよい家庭もあります。

① 老後資金に不安が残っている家庭
将来の生活費や医療・介護費が見通せない段階で、
こどもNISAを優先すると、
結果的に子どもに負担を回すことになりかねません。

② 教育費を確実に確保したい家庭
教育費は「使えなければ困るお金」です。
価格変動のある投資に不安が強い場合、
預貯金や安全資産中心でも問題ありません。

③ 短期間で成果を求めてしまう家庭
「数年で増やしたい」「元本割れは絶対に嫌」
こうした前提がある場合、
こどもNISAはストレスの元になります。

④ 制度に振り回されやすい家庭
「非課税だから」「皆がやっているから」
という理由だけで始めると、
途中で判断に迷いやすくなります。

「やらない」も立派な選択

こどもNISAは、
使わなければ損をする制度ではありません。

教育費は、
・収入
・預貯金
・奨学金
といった手段でも十分に対応できます。

投資を使わない選択は、
失敗ではなく、
家庭のリスク許容度に合った判断です。

判断を誤らせる三つの思い込み

こどもNISAの判断でよくある誤解は次の三つです。

・やらないと子どもが不利になる
・満額を使わないと意味がない
・非課税だから安全

いずれも事実ではありません。
制度は「使いこなせた場合」に価値が出るものです。

結論

こどもNISAは、
「やるべきかどうか」を他人と比べて決める制度ではありません。

親の老後が安定し、
教育費の全体像が見え、
余裕資金で長期運用ができる。
この条件がそろえば、有効な選択肢になります。

逆に、
不安を抱えたまま始めるくらいなら、
使わない方が健全です。

こどもNISAは、
家庭の安心の上に“静かに”乗せる制度です。
それができる家庭にとってだけ、
意味のある選択肢になる。

それが、この連載の最終的な答えです。


参考

・日本経済新聞「こどもNISAどう使う? 幼い頃から積み立てを」(2026年1月19日夕刊)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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