第1回|解散株高の構造――なぜ「選挙は買い」と言われるのか

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日経平均株価が5万4000円台に到達し、いわゆる「解散株高」が再び注目を集めています。
衆院解散という政治イベントが、なぜ株価を押し上げるのか。その背景には、市場が長年にわたり蓄積してきた経験則があります。

本稿では、過去の事例を踏まえながら、解散株高が生まれる構造と、今回の相場環境の特徴を整理します。

解散が株価材料になる理由

解散総選挙は、一見すると政治的な不確実性を高めるイベントです。しかし市場では、次のような理由から「ポジティブ材料」として受け止められることが少なくありません。

第一に、政権の方向性が明確になることです。
解散によって選挙結果が出れば、政策運営の枠組みが一定期間固定されます。市場は不透明さよりも「見通しが立つこと」を好みます。

第二に、選挙前後で財政出動や成長政策への期待が高まりやすい点です。
景気下支えや賃上げ促進、投資支援策などが意識され、株式市場に資金が流入しやすくなります。

過去の解散株高の典型例

象徴的な例が、2005年の郵政解散と2014年のいわゆるアベノミクス解散です。

郵政解散では、小泉純一郎首相の構造改革路線への期待から、日経平均は解散前後約6か月で大きく上昇しました。
また、消費税率引き上げ延期の是非を問う解散では、
安倍晋三首相の経済政策継続への安心感が株高を支えました。

これらに共通するのは、「政権の継続」と「政策の一貫性」が市場に好感された点です。

高市政権下の解散株高の位置づけ

今回の株高も、**高市早苗**首相による衆院解散観測が直接のきっかけです。
短期間で日経平均が1割以上上昇し、過去の解散局面と比較されるのも自然な流れです。

ただし、今回の最大の特徴は、解散前からすでに株価が史上最高値圏にある点です。
過去の解散は、相対的に割安な水準から始まりましたが、今回は高い発射台からのスタートとなっています。

割高感と過熱感

足元では、日経平均の予想PERが20倍台に達し、過去の解散局面を上回っています。
PBRでも同様に、株価は将来期待を先取りした水準にあります。

これは、さらなる上昇余地が「政策や選挙結果次第」になっていることを意味します。
同時に、短期的な過熱感が高まっていることも否定できません。

結論

解散株高は、偶然ではなく、市場の経験則に基づく現象です。
ただし、その効果は「どの水準から始まるか」「どこまで期待が織り込まれているか」によって大きく異なります。

今回の解散株高は、構造的には理解できる一方で、過去と同じ上昇余地を前提にするのは慎重であるべき局面だと言えるでしょう。

参考

日本経済新聞「解散株高、持続にハードル」2026年1月15日朝刊

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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