確定申告Q&Aで整理する申告の基本⑥ 住民税・事業税と確定申告の関係

税理士
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確定申告というと所得税の手続きという印象が強い一方で、「住民税や事業税は別に申告が必要なのか」「確定申告をすれば自動的に計算されるのか」といった疑問を持つ人も少なくありません。税金には複数の種類があり、それぞれの役割や手続きの関係を理解しておくことが重要です。

国税庁の確定申告Q&Aでも、住民税や事業税との関係について整理されています。第6回では、確定申告と地方税である住民税・事業税の関係を、実務の視点から確認します。


所得税と住民税・事業税の違い

確定申告は、主に所得税を計算し、申告・納税するための手続きです。所得税は国に納める税金であり、申告先は税務署になります。

一方、住民税事業税は地方税です。住民税は都道府県や市区町村に、事業税は主に都道府県に納める税金です。納税先が異なるため、「別々に申告が必要なのではないか」と感じる原因になります。


確定申告と住民税の関係

確定申告を行うと、その申告内容は税務署から市区町村へ送られます。市区町村は、その情報をもとに住民税を計算します。そのため、原則として、確定申告を行えば住民税のための別途申告は不要です。

会社員の場合、年末調整が行われていると、その情報をもとに住民税が計算されます。個人事業主や副業収入がある人の場合でも、確定申告の内容が住民税の計算の基礎になります。

ただし、住民税には所得税とは異なる控除や非課税判定があるため、金額が一致しないこともあります。これは誤りではなく、制度上の違いによるものです。


住民税の申告が必要になるケース

原則として確定申告をしていれば住民税の申告は不要ですが、例外もあります。

代表的なのは、所得税の確定申告が不要な人です。給与所得のみで年末調整が済んでおり、確定申告を行わない場合でも、住民税の申告が必要になるケースがあります。例えば、住民税の非課税判定や、住民税独自の控除を受ける場合などです。

また、所得が少額で所得税がかからない場合でも、住民税の申告が必要となることがあります。所得税と住民税は課税基準が異なるため、「所得税がかからない=住民税もかからない」とは限りません。


事業税と確定申告の関係

事業税は、一定の事業を行っている人に課される地方税です。個人事業主やフリーランスの場合、所得の内容によって事業税の対象になることがあります。

事業税についても、確定申告の内容をもとに都道府県が課税判断を行うのが一般的です。そのため、確定申告をしていれば、事業税について別途申告書を提出する必要は通常ありません。

ただし、事業の種類や所得区分によっては、事業税の対象にならない場合もあります。課税の有無は、所得の内容に基づいて判断されます。


副業と住民税の実務上の注意点

副業をしている会社員の場合、住民税の扱いは特に注意が必要です。確定申告を行うと、副業所得も含めた住民税額が計算されます。

この際、住民税の納付方法として、給与からの特別徴収自分で納める普通徴収があります。選択によっては、勤務先に副業の存在が伝わる可能性があるため、住民税の仕組みを理解したうえで判断することが重要です。


よくある誤解と混乱しやすい点

住民税・事業税と確定申告の関係について、次のような誤解が見られます。

・確定申告をすると住民税も自分で納めなければならない
・住民税や事業税は必ず別に申告が必要
・所得税と住民税は同じ計算方法

いずれも正確ではありません。確定申告は、複数の税金の基礎資料として使われているという点を理解することが重要です。


結論

確定申告は所得税の手続きですが、その内容は住民税や事業税の計算にも使われます。原則として、確定申告を行えば、住民税や事業税のために別途申告をする必要はありません。

ただし、所得税の申告が不要な場合や、特定の事情がある場合には例外もあります。税金の種類ごとの役割と関係を理解することで、無用な不安や手間を減らすことができます。

次回は、マイナンバーと本人確認の取扱いについて整理していきます。


参考

・国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項(Q&A)⑥ 住民税・事業税との関係」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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