確定申告Q&Aで学ぶ「誤りの多い事例」⑦ 住宅ローン控除の勘違いと適用ミス

税理士
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確定申告で誤りが起きた場合の影響が特に大きいものの一つが、住宅ローン控除です。控除額が大きくなりやすいため、誤って適用してしまうと、後から修正が必要になったり、税額が大きく変わったりすることがあります。

国税庁が示す「誤りの多い事例」でも、住宅ローン控除に関する勘違いや適用ミスは、毎年のように指摘されています。第7回では、初心者が特につまずきやすい住宅ローン控除の誤りについて整理します。


住宅ローン控除は「借りれば使える」制度ではない

住宅ローン控除について、最も多い誤解は、「住宅ローンを組んで家を買えば、当然に使える控除」という認識です。

実際には、住宅ローン控除には複数の要件があり、すべてを満たして初めて適用されます。これらの要件を一つずつ確認せずに、「ローンがあるから大丈夫」と判断してしまうことが、誤りの出発点になります。


入居時期に関する誤り

住宅ローン控除では、「いつ住宅に入居したか」が重要な判断基準になります。しかし、この点が十分に意識されていないケースが少なくありません。

購入や建築の時期と、実際に住み始めた時期を混同してしまい、本来の適用期間を誤ってしまうことがあります。特に、年末近くに入居した場合には、注意が必要です。


自分が住んでいない住宅に適用してしまうケース

住宅ローン控除は、自ら居住する住宅を対象とした制度です。しかし、実務上は「将来住む予定」「一時的に空いているだけ」といった理由で、居住していない住宅に控除を適用してしまう誤りが見られます。

この点は、初心者の方が特に誤解しやすいポイントです。「持ち家であること」と「実際に住んでいること」は、別の要件として考える必要があります。


住宅の要件を見落としてしまうケース

住宅ローン控除では、住宅そのものにも要件があります。床面積や用途など、一定の条件を満たしている必要があります。

初心者の方の中には、「住宅ローンを組んだのだから、住宅の条件は問題ないはず」と考えてしまう人もいます。しかし、物件の種類や条件によっては、要件を満たさない場合もあります。


住宅ローン残高の計算誤り

住宅ローン控除の計算では、年末時点のローン残高が基準になります。この点を理解していないと、借入時の金額や返済途中の残高を誤って使ってしまうことがあります。

金融機関から交付される残高証明書を確認せずに入力してしまうと、金額違いによる誤りが生じやすくなります。


年末調整との関係で起きる誤解

会社員の場合、住宅ローン控除は2年目以降、年末調整で処理されることが一般的です。そのため、「確定申告では関係ない」と思われがちです。

しかし、最初の年だけは確定申告が必要である点を知らずに、手続きを忘れてしまうケースも見られます。また、年末調整で処理されている場合でも、内容に誤りがあれば、確定申告で修正が必要になります。


よくある思い込みが誤りにつながる

住宅ローン控除に関しては、次のような思い込みが誤りの原因になります。

  • ローンがあるから自動的に使える
  • 去年と同じ条件だから今年も問題ない
  • 不動産会社が説明してくれたから大丈夫

制度の説明を受けていたとしても、実際の適用判断は納税者自身が行う必要があります。


誤りを防ぐための確認ポイント

住宅ローン控除の誤りを防ぐためには、次の点を意識することが重要です。

  • 入居時期と居住状況を確認する
  • 住宅の要件を改めて整理する
  • 残高証明書の金額をそのまま使う
  • 初年度は確定申告が必要かを確認する

特に、初めて住宅ローン控除を使う年は、慎重な確認が欠かせません。


結論

住宅ローン控除は、税負担を大きく軽減できる一方で、誤りがあると影響も大きい制度です。多くの誤りは、「使えるはず」という思い込みから生じています。

次回は、申告書の記載ミスや計算ミスといった形式的な誤りについて整理していきます。


参考

・国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項(Q&A)
 Q17 所得税等の確定申告の際に、誤りの多い事例について」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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