特別加入の給付基礎日額をどう決めるか 収入別シミュレーションで考える

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労災保険の特別加入を検討する際、多くのフリーランスが悩むのが「給付基礎日額をいくらに設定すべきか」という点です。
給付基礎日額は、労災事故が起きた場合の給付額のベースになる一方で、保険料にも直結します。高くすれば安心感は増しますが、固定費としての負担も重くなります。
ここでは、給付基礎日額の仕組みを整理したうえで、収入水準別に考え方の目安を示します。

給付基礎日額とは何か

給付基礎日額とは、労災保険の給付額を計算するための基準となる金額です。
休業補償給付、障害補償年金、遺族補償年金など、特別加入で受けられる給付は、この日額をもとに算定されます。
会社員の場合は実際の賃金を基に決まりますが、フリーランスの特別加入では、一定の範囲内で自分で選択します。

決め方の基本的な考え方

給付基礎日額を決める際の基本は、「事故で働けなくなった場合、最低限いくらあれば生活が維持できるか」です。
売上や年収そのものではなく、
・生活費
・事業を続けるための最低限の固定費
この2点を意識することが重要です。
労災保険は利益補償ではなく生活補償の制度である点を、まず押さえておく必要があります。

収入別シミュレーション① 年収300万円前後

(駆け出し・副業から独立初期)

この層では、保険料負担を抑えつつ、無保険状態を避けることが優先になります。
給付基礎日額は「生活費の最低ライン」を意識し、やや低めに設定する考え方が現実的です。
労災保険はあくまで土台と割り切り、病気や業務外リスクについては、免責期間の長い民間保険や貯蓄で補完する設計が多く見られます。

収入別シミュレーション② 年収500万〜700万円程度

(安定期の個人事業主)

この水準になると、仕事が止まった場合の影響は生活面だけでなく、事業継続にも及びます。
給付基礎日額は、生活費に加えて「最低限の事業維持費」を意識した水準を検討します。
過度に高く設定する必要はありませんが、「数か月休んでも立て直せる」ラインを想定することで、心理的な安心感も得られます。

収入別シミュレーション③ 年収1,000万円超

(高単価・専門職)

収入が高い層ほど、給付基礎日額を最大水準にすべきか迷いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
この層では、貯蓄や資産形成が進んでいるケースも多く、すべてを保険でカバーする必要はない場合があります。
労災保険は「長期の公的保障を確保するもの」と位置づけ、民間保険や資産で補える部分を整理したうえで、バランスを取る考え方が重要になります。

よくある誤解

給付基礎日額を「売上や年収に合わせて最大にするべき」と考える人は少なくありません。
しかし、労災保険は利益補償ではなく生活補償です。高く設定しすぎると、平時の保険料負担が重くなり、結果として制度を使い続けられなくなる可能性があります。
「続けられる水準かどうか」という視点は、意外と見落とされがちです。

結論

特別加入の給付基礎日額に正解はありません。
重要なのは、自分の生活費・事業固定費・貯蓄状況を踏まえ、「事故が起きたとき、どこまで公的制度に任せたいか」を考えることです。
労災保険はフリーランスにとって数少ない公的セーフティネットです。過不足のない日額設定が、制度を上手に使いこなす鍵になります。

参考

・日本経済新聞「労災遺族年金 厚労省、支給要件の男女差解消へ」
・厚生労働省 労災保険 特別加入制度に関する公表資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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