日米欧株がそろって最高値を更新する背景 防衛・エネルギー・AIに向かう膨張マネーと相場の持続性

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2026年に入り、日米欧の主要株式市場がそろって最高値圏に入りました。地政学リスクが意識される局面でありながら、株式市場はむしろ強さを増しています。背景には、世界的な金融緩和を通じて積み上がった膨張マネーの存在と、その資金が向かう投資テーマの変化があります。本稿では、足元の株高を支える構造と、今後意識すべき調整リスクについて整理します。


日米欧で進む同時株高

日本株は年初から急速に水準を切り上げ、過去最高値を更新しました。米国ではダウ平均が最高値を更新し、欧州でもドイツ株価指数など主要指数が軒並み高値圏にあります。特定の国や市場に偏らず、同時進行で株高が進んでいる点が今回の特徴です。

この背景にあるのが、世界的な金融緩和です。米国では利下げが複数回実施され、欧州でも同様の動きが続きました。結果として、市場に供給される資金量は過去最高水準に達し、行き場を探すマネーが株式市場に流入しています。


マネーの流入先が変わった

2025年まで相場をけん引してきたのは、生成AIを中心としたハイテク銘柄でした。しかし足元では、投資資金の向かう先が広がっています。

防衛関連株

地政学リスクの高まりを受け、防衛関連株が注目されています。米国ではロッキード・マーチン日本ではIHIなどが上昇しました。防衛支出の拡大は中長期テーマになりやすく、資金が入りやすい分野です。

エネルギー・石油関連株

原油を巡る地政学リスクもあり、エネルギー関連株にも資金が向かっています。米国のシェブロン、日本のENEOSホールディングスやINPEXが代表例です。インフレ耐性のある業種としても再評価されています。

AIの次のテーマ「フィジカルAI」

AI関連では、単なるソフトウェアから「現実世界を動かすAI」への関心が高まっています。工場や物流を自律制御するフィジカルAIの分野では、エヌビディアと提携するシーメンス、ロボット分野のファナックなどが注目されています。
この分野では、日本企業の強みが生きやすく、中長期的な成長期待につながっています。


企業業績が相場を下支え

今回の株高は、単なる金融相場にとどまっていません。米国ではハイパースケーラーによる大型設備投資が続き、企業業績は底堅さを維持しています。日本企業も半導体製造装置や自動化関連を中心に、業績拡大が期待されています。
業績の裏付けがあることが、投資家心理を強気に保つ要因となっています。


見落とせない調整リスク

一方で、潤沢なマネーが支える相場には注意点もあります。株高による資産効果が消費を押し上げ、インフレ圧力が再燃すれば、金融政策が再び引き締め方向に転じる可能性があります。
特に欧州ではインフレ再加速への警戒感が強く、想定より早い利上げが意識されれば、相場の調整につながりかねません。


結論

足元の世界同時株高は、金融緩和で膨張したマネーが、防衛・エネルギー・フィジカルAIといった新たな投資テーマに向かっていることが大きな要因です。企業業績という実体経済の支えもあり、相場は一段の強さを見せています。
一方で、金融政策の転換が最大のリスクである点は変わりません。株高の背景を冷静に整理し、どのテーマが構造的な成長なのかを見極める姿勢が、これまで以上に重要になっています。


参考

日本経済新聞「日米欧株、そろって最高値 防衛・石油に膨張マネー」(2026年1月7日朝刊)

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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