日本株アクティブ投信は本当に「オルカン超え」なのか――インデックス全盛時代に起きている静かな変化

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少額投資非課税制度(NISA)の普及とともに、個人投資家の資金は海外株式投信、とりわけ全世界株式や米国株のインデックス型投信に集中してきました。
なかでも「オルカン」と呼ばれる全世界株式インデックス投信は、長期・分散・低コストの象徴として定着しています。

一方で、2025年は日本株のアクティブ投信がインデックスを上回る成績を残した年でもありました。
本稿では、日本経済新聞の記事を参考にしながら、日本株アクティブ投信の現状と、その意味合いを整理します。


日本株アクティブ投信の成績が改善している

投信評価を行う調査によると、2025年の日本株アクティブ投信は、本数ベースで約半数が配当込みTOPIXを上回りました。
これは、数年前まで「アクティブ投信はインデックスに勝てない」とされてきた状況から見ると、明確な変化です。

平均リターンで見ても、日本株アクティブ投信は約25%と、世界株インデックス型投信の代表格を上回る結果となりました。
特に目立ったのが、中小型株に重点投資するファンドの好成績です。


中小型株が押し上げたリターン

高いリターンを記録した投信の多くは、時価総額の小さい企業への投資比率が高い点が共通しています。

例えば、fundnoteが運用する日本株ファンドでは、組み入れ銘柄の多くが時価総額1,000億円以下でした。
運用責任者は、中小型株について「アナリストや海外投資家の目が届きにくく、適正に評価されていない銘柄が多い」と述べています。

また、小型株に特化した運用会社や、全上場企業の決算を独自に精査するファンドも、高い成果を上げました。
こうした投信は、指数に連動するのではなく、企業ごとの価値を見極めるボトムアップ型の運用を行っています。


ガバナンス改革とアクティブ運用の相性

近年の日本株市場では、ガバナンス改革や資本効率の改善が進み、企業価値が急激に見直されるケースが増えています。
業種や時価総額に関係なく、企業努力が株価に反映されやすい環境になったとも言えます。

このような市場環境では、指数全体を買うインデックス運用よりも、個別企業を選別するアクティブ運用が成果を出しやすくなります。
実際、運用会社の調査担当者からも「アクティブ投信の運用環境は改善している」という指摘が出ています。


それでも個人マネーは海外株へ

こうした実績がある一方で、個人投資家の資金は依然として海外株投信に流れています。
2025年には海外株投信への純流入額が10兆円を超え、米国株インデックス投信の残高は過去最大を更新しました。

背景には、「皆が買っているから安心」「長期ではインデックスが有利」「コストが安い」といった意識があります。
特に若い世代ほど、アクティブ投信に対して慎重な姿勢を示す傾向が見られます。


変わり始めた兆し

ただし、変化の兆しもあります。
2025年末には、日本株アクティブ投信への資金流入が一時的に大きく増加しました。

これは、実績を積み重ねることで「インデックス一辺倒ではない選択肢」が意識され始めた結果とも考えられます。
海外株投信に集中してきた個人マネーの一部が、日本株アクティブ投信に向かう可能性は否定できません。


結論

日本株アクティブ投信が「オルカン超え」の成績を出したこと自体は、短期的な結果に過ぎないかもしれません。
しかし、ガバナンス改革や市場構造の変化を背景に、アクティブ運用が機能しやすい環境が整いつつあることは事実です。

インデックス投資とアクティブ投資は、優劣を決めるものではなく、役割の異なる選択肢です。
運用者の目利きを通じて資金が優良企業に流れれば、日本株市場全体の質が高まる可能性もあります。

長期投資を前提としつつ、どの市場に、どの手法で資金を配分するのか。
投資家一人ひとりが考える時代に入っていると言えるでしょう。


参考

・日本経済新聞「〈スクランブル〉日本株投信『オルカン超え』」
・QUICK投信分析評価サービス
・モーニングスター・ジャパン 投信リサーチ資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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