(ふるさと納税を考えるシリーズ 第2回)
前回の記事では、ふるさと納税が過去最高を更新し、その光と影について触れました。
今回は「家計にどう効くのか?」という実利面、つまり 節税メリット に焦点を当てて解説します。
ふるさと納税の基本 ― 自己負担は2,000円
ふるさと納税の仕組みはシンプルです。
- 応援したい自治体に寄付をする
- 寄付額から 2,000円を引いた金額 が、所得税・住民税から控除される
- 多くの自治体から返礼品を受け取れる
つまり、実質的な自己負担は2,000円で済みます。例えば5万円寄付した場合、4万8,000円が控除され、さらに返礼品が届くという形です。
所得別・家族別の控除上限額
注意すべきは「いくらまで寄付できるか」です。これは年収や家族構成によって上限が変わります。
例を見てみましょう(夫婦共働き・配偶者控除なしの場合)。
- 年収400万円 → 約4万3,000円
- 年収600万円 → 約7万7,000円
- 年収800万円 → 約11万円
- 年収1,000万円 → 約15万円
つまり、年収600万円の方であれば、7万7,000円までの寄付なら自己負担2,000円で済みます。
上限を超えた寄付は「ただの寄付」になってしまうので注意が必要です。
控除はどう戻ってくる?
控除の戻り方は2種類あります。
- 確定申告をする場合
→ 翌年の所得税の還付+住民税の減額として反映。 - ワンストップ特例制度を使う場合
→ 確定申告をせず、翌年の住民税から控除。
会社員の方で副業収入がないなど条件を満たせば、ワンストップ特例制度を使うのが便利です。
家計にどう効く?シミュレーション
例えば、年収600万円の会社員が7万円を寄付した場合:
- 自己負担:2,000円
- 控除額:6万8,000円(翌年の税金が減る)
- 返礼品:地域特産の米や肉など(実質数万円分の価値)
結果として、2,000円で全国各地の特産品を楽しめる、家計にプラスの制度だといえます。
注意したいポイント
節税効果は大きいですが、注意点もあります。
- 上限を超えると自己負担が増える
- 収入や控除状況によって上限額が変わる
- 返礼品目的だけで選ぶと「本当に得しているのか」見えにくい
次回は、この「返礼品選びの落とし穴」について詳しく見ていきます。
まとめ
ふるさと納税は、家計にとって実質的な節税手段になり得ます。
ただし「寄付の上限額を知ること」と「仕組みを理解すること」が欠かせません。
👉 第3回は「返礼品選びの落とし穴 ― 本当に得しているのか?」をお届けします。
(参考 納税通信 2025年8月25日号)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
