確定申告に関する情報は、制度改正や実務運用の変化によって、毎年少しずつ更新されています。
そのため、断片的な知識だけでは、「自分に必要な確認」が抜け落ちてしまいがちです。
本稿は、本シリーズ全6回の内容を踏まえ、
今年の確定申告において確認すべきポイントをチェックリスト形式で整理した保存版です。
申告前の最終確認として、また申告後の振り返りとして、
必要な箇所を拾い読みしながら活用してください。
【STEP1】今年の申告が必要かどうかの確認
まずは、確定申告そのものが必要かどうかを確認します。
- 給与以外の所得がある
- 副業収入がある
- 年金収入と他の所得がある
- 医療費控除・寄附金控除などを適用する
- 消費税の申告対象である
いずれかに該当する場合、確定申告が必要、または有利になる可能性があります。
【STEP2】申告方法(電子・紙)の確認
電子申告を利用する場合
- e-Taxの利用者識別番号を把握している
- マイナンバーカードの有効期限を確認した
- スマートフォン申告かパソコン申告かを決めている
紙申告を行う場合
- 最新様式の申告書を使用している
- 記載漏れ・押印漏れがない
- 提出先と提出方法を確認している
※紙申告でも、電子申告を前提とした設計になっている点に注意します。
【STEP3】所得の整理チェック
所得の整理は、申告全体の土台です。
- 給与所得・事業所得・雑所得などを正しく区分している
- 副業収入について、実態に即した所得区分になっている
- 年金収入と他の所得を合算して確認している
- 一時的な収入(原稿料・講演料など)を見落としていない
「収入」ではなく「所得」で整理しているかを、必ず確認します。
【STEP4】必要経費・帳簿の確認
経費の確認
- 収入との関係が説明できる支出のみを計上している
- 私的支出との混在がない
- 家賃・通信費などの按分根拠を整理している
帳簿の確認
- 収入・支出が漏れなく記録されている
- 日付・内容・金額が明確である
- 年間を通じて継続的に記録されている
金額の多寡にかかわらず、記録の考え方は同じです。
【STEP5】控除の適用チェック
控除は「使えるから使う」ではなく、要件確認が重要です。
- 医療費控除の集計内容を確認した
- 医療費通知と実支払額の差異を確認した
- 扶養控除・配偶者控除の判定を年間所得で確認した
- 年末調整内容をそのまま使っていない
控除を適用することで、翌年の住民税などに影響が出る点も意識します。
【STEP6】消費税・インボイスの確認(該当者)
消費税申告の基本確認
- 課税事業者か免税事業者かを確認した
- 初めての消費税申告であるかどうかを整理した
- 所得税とは別の申告として管理している
制度別チェック
- 簡易課税の選択届出を行っている
- 業種区分を正しく判断している
- 2割特例の適用要件と期間を理解している
計算が簡単な制度であっても、記録・保存は必要です。
【STEP7】提出前の最終確認
提出直前に、次の点を確認します。
- 申告書の計算結果を一度見直した
- 添付不要書類と保存書類を区別できている
- 納付税額・還付金額を把握している
- 納付方法(口座振替・クレジット等)を確認した
特に納付額については、事前に把握しておくことが重要です。
【STEP8】申告後にやるべきこと
確定申告は、提出して終わりではありません。
- 申告内容の控えを保存した
- 保存が必要な書類を整理した
- どこで迷ったかを簡単にメモした
この振り返りが、来年の申告を大きく楽にします。
立場別・追加チェックポイント
副業会社員
- 給与と副業の数字を混同していない
- 年末調整との違いを理解している
個人事業主
- 帳簿・保存方法を来年以降も継続できそうか
- 消費税の対象になるタイミングを意識している
年金受給者
- 年金以外の所得を見落としていない
- 医療費控除などの適用可否を確認している
結論
今年の確定申告は、
制度そのものよりも、実務の前提が変わってきている年でした。
このチェックリストは、
「完璧にやるためのもの」ではなく、
「抜けを防ぐための道具」です。
すべてを一度に確認しようとせず、
自分に関係する項目を中心に使ってください。
確定申告は、経験を積むほど楽になります。
その一歩として、この保存版が役立てば幸いです。
参考
- 国税庁「確定申告の手引」
- 国税庁「e-Tax・電子申告に関する案内」
- 国税庁「所得税・消費税に関する公表資料」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
