令和7年分の確定申告では、スマホ申告やマイナポータル連携の活用が事実上の前提になりつつあります。
国税庁も、e-Taxとマイナポータル連携の利用を強く呼び掛けており、デジタルを使いこなせるかどうかが申告のスムーズさを左右します。
一方で、デジタル環境は「準備不足」のまま申告を始めると、かえって時間がかかり、申告ミスにつながることもあります。
本稿では、申告作業に入る前に必ず確認しておきたいデジタル活用の事前チェック項目を整理します。
チェック① マイナンバーカードと電子証明書
まず最初に確認すべきは、マイナンバーカードの状態です。
マイナンバーカード本体が有効期限内である
電子証明書の有効期限が切れていない
このどちらかが欠けていると、e-Tax送信やマイナポータル連携は利用できません。
特に令和7年度は更新対象者が多く、申告期直前では更新手続が間に合わないケースも想定されます。
申告を考え始めた段階で、真っ先に確認すべき項目です。
チェック② 利用する申告方法の選択
次に、どの申告方法を使うのかを明確にします。
スマートフォンで申告するか
パソコンで申告するか
書面申告とするか
スマホ申告は手軽ですが、画面が小さいため、申告内容が複雑な場合には不向きです。
複数の所得区分や計算判断が必要な場合は、最初からパソコン申告を選ぶ方が安全です。
「途中までスマホで進めて、結局やり直す」ことを防ぐ意味でも、事前の選択が重要です。
チェック③ マイナポータル連携の事前設定
マイナポータル連携を使う場合、事前設定が済んでいるかを確認します。
マイナポータルへのログインができる
情報提供に関する同意設定が完了している
過去に連携エラーが起きていない
特に「同意設定」は、連携対象であっても未設定のままではデータが取得されません。
医療費、寄附金、保険金、給与情報など、それぞれの項目について確認が必要です。
チェック④ 自動取得できる情報とできない情報の切り分け
マイナポータル連携で取得できる情報と、手入力が必要な情報を事前に整理しておきます。
医療費や寄附金のうち、連携対象外の支払はないか
現金払いの医療費や個人間取引がないか
未対応事業者からの支払がないか
すべてが自動で反映される前提で進めると、申告漏れの原因になります。
「何が入らないか」を把握することが、デジタル活用では特に重要です。
チェック⑤ 保険金・年金受取の有無
令和7年分から、生命保険や損害保険の一時金・年金情報がマイナポータル連携の対象に加わりました。
ここで確認すべき点は、金額の有無だけではありません。
一時所得に該当するか
雑所得に該当するか
非課税扱いとなる部分はないか
自動取得された金額を、そのまま機械的に入力してよいとは限りません。
課税区分の判断が必要な場合は、慎重な確認が必要です。
チェック⑥ 所得区分と申告内容の全体像
申告前に、1年間の所得を改めて整理します。
給与所得のみか
副業収入があるか
不動産所得や事業所得があるか
所得区分が複数ある場合、デジタル申告でも判断ミスが起こりやすくなります。
申告書等作成コーナーの誘導だけに頼らず、自分の所得構成を把握しておくことが不可欠です。
チェック⑦ 制度改正の影響を受ける可能性
令和7年分所得税では、基礎控除・給与所得控除の見直しや、高所得者向けの負担適正化措置が導入されています。
自分が改正の影響を受ける可能性があるか
確定申告が必要になるかどうか
これらを事前に確認しておくことで、申告後の修正や問い合わせを防ぐことができます。
チェック⑧ 申告後の控えとデータ保存
デジタル申告では、申告後の管理も重要です。
送信結果の確認
申告書控えの保存
取得データの保管
「送信したつもり」「保存したと思っていた」という状態は、後日の確認や修正時に支障をきたします。
申告完了までを含めて、一連の作業として捉える必要があります。
結論
令和7年分確定申告では、デジタル活用が申告の効率と正確性を大きく左右します。
しかし、デジタルは準備が整ってこそ効果を発揮する仕組みです。
マイナンバーカードの確認から、マイナポータル連携の設定、取得データの見極めまで、申告前に一度立ち止まってチェックすることで、申告ミスや手戻りを防ぐことができます。
「入力を始める前の確認」こそが、最も重要なデジタル活用といえます。
参考
・税のしるべ「7年分確定申告はスマホとマイナポータル連携の利用を、ボイスボットも試行的に導入」(2026年1月5日)
・国税庁 令和7年分所得税等確定申告に関する公表資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
