中小企業で始める生成AI経理 ― 最初の一歩

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生成AI(ChatGPTなど)は、もはや特別なツールではありません。
メールの文章作成から、経費規定のたたき台づくりまで、
中小企業でも“すぐに使える”時代になりました。

「うちにはAIなんてまだ早い」
――そう感じる経理担当者ほど、AI導入の“伸びしろ”があります。

本稿では、AI経理をゼロから始めるための3ステップを、
実際の中小企業の現場を想定して紹介します。


第1章 AI導入の第一歩は「業務の見える化」

いきなりAIを入れるのではなく、
まずやるべきは「どの業務をAIに任せるか」を整理することです。

🔹 ステップ① AIに向く業務を洗い出す

AIに向いているのは、以下のような“繰り返し・文章・整理”業務です。

業務例AI活用ポイント
経費精算・領収書処理AIが領収書内容を抽出・分類
規定・マニュアル作成AIが文案のたたき台を生成
月次レポート作成AIが数値を要約し、経営層向けに翻訳
会議議事録・報告書AIが自然な日本語で整形

つまり、“考える時間を奪う業務”からAIに渡すことが出発点です。


第2章 AIを「経理の相談相手」として使ってみる

AIを使いこなす第一歩は、「相談してみること」です。
ChatGPTなどの生成AIは、質問の仕方を工夫するだけで
経理のアシスタントとして機能します。

🔹 プロンプト(指示文)例

【役割】あなたは中小企業の経理担当者です。  
【内容】経費精算ルールを分かりやすく社員に説明する文案を作ってください。  
【制約】専門用語を避け、社内通知メールに使える文体で。

この一文を入力するだけで、AIは自然な社内文案を生成します。
経理担当者は内容をチェック・調整するだけ。
作業時間が半分以下になるケースも珍しくありません。


第3章 無料・低コストで始めるAIツール活用

中小企業にとって最大の壁は「コスト」。
でも実は、無料または低料金で十分に活用できます。

ツール名特徴向いている用途
ChatGPT(無料版/Pro版)会話型で柔軟文書作成・説明文・Q&A
Notion AI文書整形・要約が強い社内規程や議事録
Copilot(Microsoft 365)Excel・Wordと統合資料自動作成
Canva Magic Write図解・掲示資料をAI生成社内報・経理通信

まずは、既に契約中のMicrosoftやGoogle WorkspaceにAI機能がないかを確認することが第一歩です。


第4章 AI導入の落とし穴 ― 「使い方ルール」を決めておく

AI導入で注意すべきは、“便利すぎるがゆえのリスク”です。

🔹 よくある落とし穴

  • 機密データをAIに入力してしまう
  • AI出力をそのまま使い、誤情報を拡散する
  • 「誰が最終確認するか」が曖昧

🔹 対策の3原則

1️⃣ 個人情報・社内データは入力しない
2️⃣ AIが出した結果は必ず人が確認する
3️⃣ AI利用履歴を残す(再現性の確保)

AIは“経理の右腕”であっても、“責任者”ではありません。
最後の判断は、常に人が行う。
これがAI経理の基本ルールです。


第5章 AI経理で変わる「経理の価値」

AIを導入すると、経理が“楽”になるだけではありません。
経理の立場そのものが、経営の中枢に近づきます。

AIが処理を、経理が戦略を担う。
数字を整える仕事から、数字で未来を語る仕事へ。

AIがあなたの「事務作業」を減らし、
あなたの「経営貢献」を増やす。

それが、AI経理の最大の価値です。


まとめ:まず“1つの業務”から始めよう

AI導入のコツは、「完璧を目指さない」こと。
まずは1つの業務で使い、効果を体感し、ルールを整える。
そこから社内に広げていけば十分です。

AI経理の第一歩は、あなたの指先から始まります。
今日、ChatGPTを開き――
「経費規程を分かりやすく書き直して」と入力してみましょう。

きっと、未来の経理が動き出します。

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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