フリーランスのための保障設計・総まとめ― 労災・民間保険・貯蓄をどう組み立てるか ―

FP
ブルー ピンク イラスト メリットデメリット 比較 記事見出し ブログアイキャッチ - 1

フリーランスの保障設計は、会社員のように自動的に整うものではありません。
公的制度、民間保険、そして自分自身の貯蓄をどう組み合わせるかを、自ら考え、選び続ける必要があります。
このシリーズでは、労災保険(特別加入)を軸に、フリーランスが直面するリスクと備え方を整理してきました。本稿では、それらを一つの設計図としてまとめます。

フリーランスの保障設計は「三層構造」で考える

フリーランスの保障は、次の三層で考えると整理しやすくなります。

第一層:公的制度(労災保険)
業務上や通勤中の事故という明確なリスクに対し、長期の給付や年金につながるのが労災保険です。
特別加入により、フリーランスもこの公的セーフティネットにアクセスできます。これは民間保険では代替できない「土台」です。

第二層:民間保険
病気や私生活でのケガなど、労災の対象外となるリスクを補うのが民間保険です。
就業不能保険や医療保険、必要に応じて生命保険を組み合わせ、公的制度の空白部分を埋めます。

第三層:貯蓄・資産
免責期間中の生活費や、保険で賄いきれない部分を支えるのが貯蓄です。
保険は万能ではなく、最終的なクッションは自己資金であることを前提に設計します。

労災保険を「入る・入らない」で考えない

労災保険についてよくある誤解は、「危険な仕事だけが入るもの」という捉え方です。
実際には、事故の発生頻度よりも「起きた場合の影響」が重要です。
業務中の事故で長期間働けなくなったとき、収入が止まり、生活が成り立たなくなるのであれば、労災保険は検討対象になります。
特別加入は、フリーランスにとって数少ない公的制度であり、「選べる保険」ではなく「使える制度」として位置づける視点が大切です。

民間保険は「主役」にも「脇役」にもなり得る

民間保険は、加入すること自体が目的ではありません。
病気リスクが大きい人にとっては主役になり、貯蓄が十分な人にとっては最低限の補完にとどまることもあります。
重要なのは、労災保険と役割が重複していないか、保険料が固定費として重くなりすぎていないかを定期的に確認することです。

給付基礎日額は「生活を守る水準」で決める

特別加入の給付基礎日額は、年収や売上に合わせて最大にする必要はありません。
考えるべきは、事故で働けなくなった場合に、最低限の生活と事業継続が可能かどうかです。
高く設定しすぎると、平時の保険料負担が重くなり、結果として制度を使い続けられなくなることもあります。

見直し前提で設計する

フリーランスの保障設計は、固定されたものではありません。
収入の増減、家族構成の変化、貯蓄の増加などに応じて、
・労災の給付基礎日額
・民間保険の保障額
・保険料の総額
を見直す前提で考える必要があります。
「今の自分に合っているか」を定期的に点検することが、最大のリスク管理です。

結論

フリーランスの保障設計に、万能な正解はありません。
しかし、業務上リスクは労災保険、業務外リスクは民間保険、最終的なクッションは貯蓄という三層構造を意識すれば、大きく外すことはありません。
公的制度を土台に、無理のない民間保険を重ね、変化に応じて見直す。この考え方こそが、フリーランスとして長く働き続けるための現実的な保障設計といえます。

参考

・日本経済新聞「労災遺族年金 厚労省、支給要件の男女差解消へ」
・厚生労働省 労災保険制度・特別加入制度に関する公表資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました