スマホ申告を勧めてよい人・慎重にすべき人 令和7年分確定申告における適・不適の判断軸

税理士
水色 シンプル イラスト ビジネス 解説 はてなブログアイキャッチのコピー - 1

令和7年分確定申告では、スマートフォンを使った申告環境が大きく進化しました。
マイナンバーカードのスマホ搭載対応やマイナポータル連携の拡充により、パソコンを使わずに確定申告を完結させることも現実的になっています。

一方で、すべての人にスマホ申告が適しているわけではありません。
実務の現場では、「スマホでやろうとして途中で詰まった」「結果的に申告内容を誤っていた」というケースも見受けられます。

本稿では、スマホ申告を積極的に勧めてよい人と、慎重な判断が必要な人を整理し、判断の目安を示します。

スマホ申告の前提となる環境

スマホ申告は、操作が簡単というイメージを持たれがちですが、一定の前提条件があります。

マイナンバーカードを保有している
電子証明書の有効期限が切れていない
マイナポータルとの連携設定が完了している

これらが揃って初めて、スマホ申告の利便性が発揮されます。
前提条件が欠けている場合は、パソコン申告や書面申告の方が結果的に効率的となることもあります。

スマホ申告を勧めてよい人の典型例

スマホ申告が特に適しているのは、申告内容が比較的シンプルな人です。

給与所得のみで、年末調整後に医療費控除や寄附金控除を追加する人
ふるさと納税の寄附先や金額がマイナポータル連携で自動取得できる人
医療費がマイナポータル連携により一括反映される人

これらのケースでは、入力項目が少なく、画面の誘導に沿って進めることで申告を完結させやすくなります。
源泉徴収票の内容も自動取得されるため、転記作業が不要になる点も大きなメリットです。

副業規模が小さい人にとってのスマホ申告

副業をしている場合でも、一定の条件下ではスマホ申告は有効です。

副業収入が雑所得で、件数や金額が少ない
必要経費が限定的で、計算が単純
帳簿作成を要しない水準

このような場合、スマホ申告でも対応可能です。
ただし、入力画面はパソコンに比べて一覧性が低いため、事前に金額を整理してから入力することが前提となります。

スマホ申告に慎重になるべき人の特徴

一方で、次のような人はスマホ申告を安易に選ぶべきではありません。

複数の所得区分がある
不動産所得や事業所得がある
一時所得や雑所得の計算が複雑

これらのケースでは、所得計算や損益通算の判断が必要となるため、スマホ画面だけで全体像を把握するのは困難です。
パソコン画面で入力内容を俯瞰できる環境の方が、申告ミスを防ぎやすくなります。

保険金・年金受取がある人は要注意

令和7年分から、生命保険や損害保険の一時金・年金情報がマイナポータル連携の対象に加わりました。
これにより、スマホ申告でも金額自体は自動反映されます。

しかし、これらの所得は、
一時所得
雑所得
非課税扱い

といった区分判断が必要となる場合があります。
スマホ申告では、計算過程や課税関係の説明を読み飛ばしてしまい、誤ったまま確定させてしまうリスクがあります。

高額所得者・制度改正の影響を受ける人

令和7年分所得税では、控除制度の見直しや高所得者向けの負担適正化措置が導入されています。
これらの影響を受ける可能性がある人は、スマホ申告だけで完結させることに慎重であるべきです。

自分が制度の対象となるかどうか
適用関係に誤りがないか

こうした確認を行うには、フローチャートや補足説明をじっくり確認できる環境が望まれます。

スマホ申告は「簡単」ではなく「向き・不向き」がある

スマホ申告は、確定申告を誰でも簡単にする万能ツールではありません。
申告内容が整理されており、入力項目が限定されている人にとって、初めて大きな効果を発揮します。

一方で、複雑な申告を無理にスマホで行うと、
・申告内容の理解不足
・確認不足によるミス
につながりやすくなります。

結論

スマホ申告は、令和7年分確定申告において有力な選択肢の一つです。
しかし、勧めてよいのは、申告内容がシンプルで、マイナポータル連携を十分に活用できる人に限られます。

所得構成が複雑な場合や、制度改正の影響を受ける可能性がある場合には、パソコン申告や専門家への相談を含めた慎重な対応が必要です。
「スマホでできるか」ではなく、「スマホでやってよいか」という視点で判断することが、確定申告を失敗させないための重要なポイントといえます。

参考

・税のしるべ「7年分確定申告はスマホとマイナポータル連携の利用を、ボイスボットも試行的に導入」(2026年1月5日)
・国税庁 令和7年分所得税等確定申告に関する公表資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました