こどもNISAの商品選びを考えると、
必ずと言っていいほど出てくるのが
「結局、オルカンでいいんですよね?」という問いです。
全世界株式に分散し、低コストで、長期投資向き。
条件だけ見れば、こどもNISAと相性が良さそうに見えます。
しかし、「オルカン一択」という言葉が独り歩きすると、
制度の目的や家庭ごとの事情が置き去りになりがちです。
本記事では、オルカンの強みと限界を整理し、
こどもNISAに本当に適しているかを冷静に考えます。
オルカンが支持される理由
オルカンが評価される理由は明確です。
・世界中の株式に広く分散されている
・特定の国やテーマに依存しない
・信託報酬が低く、長期保有に向いている
「どの国が勝つか分からない」という前提に立つなら、
オルカンは極めて合理的な選択肢です。
特に、投資経験が浅い家庭にとっては、
判断の難易度を下げてくれる商品でもあります。
こどもNISAとの相性が良い点
こどもNISAは、
・長期
・積立
・分散
が前提の制度です。
この条件だけを見れば、
オルカンは確かに制度とよく噛み合っています。
「何を選べばいいか分からない」という段階では、
スタート地点としての選択肢になり得ます。
それでも「一択」と言い切れない理由
問題は、
「オルカンが悪いかどうか」ではありません。
「オルカンしか見ない」ことにあります。
こどもNISAは、
教育資金として使う可能性がある制度です。
つまり、
・使う時期が決まっている
・途中で取り崩す可能性がある
という特徴を持ちます。
オルカンは株式100%の商品です。
長期では成長が期待できても、
取り崩し時期に大きな下落が重なれば、
教育費としては使いにくくなります。
教育資金という「出口」がある点を忘れない
老後資金であれば、
・取り崩し時期を遅らせる
・使う金額を調整する
といった柔軟性があります。
しかし、教育費は違います。
支払時期が決まっており、
「相場が悪いから来年にする」という選択はできません。
オルカン一択にすると、
出口戦略まで含めた設計が後回しになりやすくなります。
オルカンに向いている家庭
オルカンが向いているのは、
次のような条件がそろっている家庭です。
・教育費の全額を投資に頼らない
・使う時期まで十分な時間がある
・下落局面でも積立を続けられる
・出口では段階的に安全資産へ移すつもりがある
この前提があるなら、
オルカンは「有力な選択肢の一つ」になります。
向いていないケース
一方で、次のような場合は注意が必要です。
・教育費をほぼ投資に依存している
・取り崩し時期が10年を切っている
・相場下落時の心理的負担が大きい
・「よく分からないけど皆が選んでいるから」という理由
これらに当てはまる場合、
オルカン一択はリスク過多になりがちです。
「組み合わせ」で考える視点
こどもNISAは、
必ずしも1本の商品で完結させる必要はありません。
・株式比率を抑えた商品
・債券を含むバランス型
・時期に応じた配分調整
といった考え方を組み合わせることで、
教育資金としての使いやすさは高まります。
オルカンは、
「コア」として使うことはできても、
「すべてを任せる前提」には向かない場合もあります。
結論
オルカンは、
こどもNISAにおいて
「悪くない選択肢」です。
しかし、
「誰にとっても一択」という万能解ではありません。
こどもNISAで最も大切なのは、
商品名ではなく、
・目的
・期間
・出口
を含めた全体設計です。
オルカンを選ぶかどうかは、
その設計に合っているかで判断すべきです。
「一択」という言葉に安心せず、
自分の家庭にとっての納得解を探す。
それが、こどもNISAを長く、穏やかに使うための
いちばんの近道といえるでしょう。
参考
・日本経済新聞「こどもNISAどう使う? 幼い頃から積み立てを」(2026年1月19日夕刊)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
