こどもNISAは結局いくら積み立てるのが現実的か──「制度上の上限」と「家計上の正解」は違う

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

こどもNISAには、年間60万円、生涯600万円という明確な上限があります。
この数字を見ると、「毎年満額で積み立てるべきなのか」と悩む人も少なくありません。

しかし、制度の上限と、各家庭にとっての現実的な積立額は一致しません。
本記事では、教育資金・老後資金・家計の安定という観点から、
こどもNISAの「現実的な積立額」を考えます。

年間60万円は「目標」ではなく「上限」

まず押さえておきたいのは、
年間60万円は「積み立てるべき金額」ではなく、「積み立てられる最大額」だという点です。

NISA制度全般に共通しますが、
上限はあくまで制度設計上のキャパシティであり、
すべての家庭がそこまで使うことを前提にしていません。

こどもNISAも同様で、
毎年満額を入れなければ意味がない制度ではありません。

教育費全体から逆算する

現実的な積立額を考えるには、
まず「教育費全体のうち、投資で賄いたい割合」を決める必要があります。

教育費は、
・預貯金
・収入からの都度支出
・奨学金
など、複数の手段で賄うのが一般的です。

こどもNISAは、
教育費のすべてを担う主役ではなく、
あくまで一部を補完する位置づけが現実的です。

月1万円からでも意味はある

長期で積み立てる場合、
金額の大小よりも「期間」が結果に与える影響は大きくなります。

例えば、
・月1万円(年12万円)
・0歳から18歳まで積み立て
というケースでも、
長期運用によって教育資金の一部を十分に補完できます。

こどもNISAは、
「少額を長く続ける」ことに向いた制度です。
無理のない金額で始めること自体に、十分な意味があります。

家計への負担感で考える

積立額を決める際には、
「いくらまで入れられるか」ではなく、
「いくらなら負担に感じず続けられるか」で考える方が現実的です。

次のような状態になっていないかを確認しましょう。
・教育費のために老後資金を後回しにしている
・収入減少時に積立を止める余地がない
・相場下落時に不安が強くなる

これらに当てはまる場合、積立額が家計に対して過大です。

「途中で止める」前提で考える

こどもNISAは、
途中で積み立てを止めても、
それまでに積み立てた資産は非課税で保有し続けられます。

そのため、
「一生続けなければならない」
「毎年同じ額を入れなければならない」
と考える必要はありません。

収入や家計の状況に応じて、
・増やす
・減らす
・止める
という選択肢を前提に設計することが、長続きのコツです。

祖父母資金がある場合の考え方

祖父母からの資金拠出がある場合でも、
「あるから満額を使う」という発想は危険です。

資金が多いほど、
・家族間の認識のズレ
・公平性の問題
が生じやすくなります。

こどもNISAに回す金額は、
祖父母の意向よりも、
親世代の家計設計と教育方針を優先して決めるべきです。

現実的な積立額の目安

あくまで考え方として整理すると、
次のような水準が現実的です。

・月1万円~2万円程度
・家計に余裕がある年のみ増額
・年間60万円は「使えたら使う」上限

この範囲であれば、
老後資金や生活費を圧迫しにくく、
長期で続けやすい設計になります。

結論

こどもNISAの積立額に「正解の金額」はありません。
あるのは、
「その家庭にとって無理がないかどうか」
という基準だけです。

制度の上限に合わせる必要はなく、
月1万円からでも十分に意味があります。

こどもNISAは、
積立額の多さを競う制度ではありません。
親が安心して老後を迎え、
子どもが将来を考える余地を残す。

そのバランスが取れている金額こそが、
最も現実的な積立額といえるでしょう。

参考

・日本経済新聞「こどもNISAどう使う? 幼い頃から積み立てを」(2026年1月19日夕刊)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました