α世代 20億人が引き受ける世界③分断と格差の時代をどう生きるか ― 成長なき資本主義の引き継ぎ ―

人生100年時代
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α世代が社会の中心に近づくにつれ、避けて通れないテーマが「分断」と「格差」です。
経済成長が続く時代であれば、多少の不平等は時間とともに吸収されるという期待が成り立ちました。しかし現在、その前提は崩れつつあります。世界経済は成長率の低下局面に入り、豊かさが広がるスピードは鈍っています。

α世代は、右肩上がりの成長を経験することなく、格差が固定化しやすい社会に生まれました。本稿では、分断と格差が拡大する時代に、α世代がどのような環境を引き受け、どのように生きようとしているのかを整理します。

成長が格差を覆い隠さなくなった

これまでの資本主義社会では、経済成長が格差の存在を相対的に目立たなくしてきました。
所得の差があっても、全体のパイが拡大していれば、多くの人が生活の改善を実感できます。その結果、社会的な不満は一定程度抑えられてきました。

しかし近年、世界的に潜在成長率は低下しています。人口増加が鈍化し、生産性向上の余地も限られる中で、経済成長だけで格差問題を解決することは難しくなっています。
その結果、所得、教育、医療、居住環境といった分野での格差が、世代を超えて固定化しやすくなっています。

α世代は、こうした「成長が格差を覆い隠さない社会」を前提として生きる最初の世代だといえます。

分断が可視化される社会

格差の拡大は、社会の分断を加速させます。
経済的な差だけでなく、価値観や立場の違いが対立として表面化しやすくなります。移民問題、環境政策、ジェンダー、宗教、政治的立場など、さまざまなテーマで社会の亀裂が目立つようになりました。

情報環境の変化も分断を強めています。
SNSや動画配信サービスは、多様な意見に触れる機会を増やした一方で、似た考えの人同士が集まりやすい構造も生み出しました。異なる立場への想像力が働きにくくなり、対話よりも排除が選ばれる場面が増えています。

α世代は、このような分断が「当たり前に存在する社会」を幼い頃から見てきました。分断は異常事態ではなく、日常の風景の一部として認識されています。

排斥と権威主義の影

格差と分断が深まる中で、排斥や権威主義的な動きが各地で強まっています。
経済的な不安や将来への不透明感が高まると、人々は分かりやすい敵や単純な解決策を求めがちになります。その結果、特定の集団を排除する主張や、強い指導者への支持が広がります。

この流れは、α世代が生きる世界の現実です。
民主主義や自由主義が当然の価値として共有されていた時代とは異なり、それらが常に揺らぎ、試される状況にあります。自由で開かれた社会が維持されるかどうかは、自動的に保証されるものではなくなっています。

α世代の視点

こうした状況に対して、α世代は必ずしも強い悲観に支配されているわけではありません。
多くの若者は、格差や分断の存在を冷静に認識したうえで、「完全になくすことは難しい」という現実も受け止めています。そのうえで、個人の多様性が尊重される社会を望む声が多く聞かれます。

特徴的なのは、「誰かを排除して解決する」という発想への距離感です。
違いがあることを前提とし、それを完全に統一しようとしない姿勢が見られます。これは理想主義というよりも、対立が激化した世界を見て育ったからこその現実的な態度だといえるでしょう。

制度を引き受けるということ

α世代が引き受けるのは、価値観の問題だけではありません。
税制、社会保障、教育、労働市場といった制度も、成長を前提に設計されたまま高齢化と低成長の時代に突入しています。制度の持続可能性は、若い世代に重くのしかかります。

重要なのは、格差や分断を「世代間対立」に単純化しないことです。
α世代だけに負担や責任を押し付けるのではなく、上の世代が制度を見直し、調整し、次の世代と共有する必要があります。分断を超えるためには、世代を超えた対話が欠かせません。

結論

α世代は、分断と格差が顕在化した社会を前提として生きる世代です。
成長が問題を解決してくれる時代ではなく、限られた資源と制度の中で調整を続ける時代に入っています。

その中でα世代は、排除ではなく共存を志向し、単純な解決策に飛びつかず、現実を直視しながら生きようとしています。
成長なき資本主義をどう引き受け、どう更新していくのか。その試行錯誤こそが、α世代の時代の本質だといえるでしょう。

次回は、こうした分断と格差の時代において、α世代が最も強い関心を寄せている環境・気候変動の問題を取り上げます。

参考

・日本経済新聞「α-20億人の未来」特集
・日本経済新聞「自由な世界、自ら描く α世代1123人の声」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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