新しいNISA(少額投資非課税制度)がスタートしてから1年半。
制度をきっかけに投資を始める人が急増していますが、「どの投資信託を選べばいいのか分からない」という声も多いです。
今回は、初心者がまず検討すべき王道のファンドを比較してみましょう。
1. 「オルカン」か「S&P500」か?
投資初心者にとって最大の選択肢はこの2つです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 投資対象:世界約50カ国の株式
- 特徴:一つ買うだけで「全世界」に分散投資できる
- メリット:地域ごとの経済成長を自動的に取り込める
- デメリット:米国の比率が高いため、米国株中心のファンドと成績差は小さくなることも
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 投資対象:米国の代表的な500社
- 特徴:世界最大の経済・企業群に集中投資できる
- メリット:過去30年で高い成長実績。アップルやマイクロソフトなどの巨大企業が含まれる
- デメリット:米国一国に依存するリスク
👉 初心者は 「世界に分散する安心感」ならオルカン、「米国一本で攻めたい」ならS&P500 というシンプルな基準で選ぶとよいでしょう。
2. つみたて投資枠でおすすめのインデックスファンド
新NISAのつみたて投資枠では、金融庁が認めた低コスト投信だけが対象です。以下は人気の鉄板商品です。
- オルカン(全世界株式)
- S&P500インデックスファンド
- 全米株式インデックス(VTI連動型)
- 先進国株式インデックス
いずれも信託報酬が低く(年0.1%前後)、長期保有に向いています。
3. 成長投資枠での選択肢
成長投資枠では、アクティブファンドやテーマ型ファンドも選べます。
ただし初心者は「遊び」で少額にとどめ、基本はインデックスで固めるのが無難です。
例:人気のあるテーマ型ファンド
- NASDAQ100連動ファンド(ハイテク中心の米国株)
- ジャパン・クリエイティブコンテンツ関連株ファンド(日本のアニメ・ゲーム産業など)
リターンの可能性は大きいですが、値動きが激しく「長期投資のコア」には不向きです。
4. 分配型ファンドはNISAに合う?
9月に資金が流入した「毎月分配型ファンド」にも人気があります。
しかし、初心者がNISAで資産形成するなら注意が必要です。
- メリット:分配金も非課税で受け取れる
- デメリット:分配金が元本から支払われる場合があり、資産が増えにくい
👉 長期的に資産を育てるなら、再投資型のインデックスファンドの方が適しています。
まとめ:初心者のNISA戦略はシンプルに
- 基本は「オルカン」か「S&P500」
→ 全世界か米国集中か、好みに合わせて選択 - つみたて投資枠は低コストインデックスで固める
- 成長投資枠は少額でテーマ型・アクティブを試す
- 分配型は資産形成目的には不向き
新NISAは「長期投資での非課税メリット」を最大限に活かす制度です。
迷ったらまずは王道インデックスファンドから始め、慣れてきたら少しずつ枠を広げるのがおすすめです。
📌 参考:
日本経済新聞朝刊(2025年10月3日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

